銀塩フィルムのネガフィルムで使われる、撮影と現像手法として(そんなものは存在していない、とか主張してる変な人は、たくさんいますがw撮影のトリック手法としては、大昔から知られています)
1:プッシュ処理 (pushing) 露出アンダーで撮影し、増感現像
感度の低いフィルムで、暗い場所を撮影するときに使うテクニック
粒子が粗くなり、コントラストが上がる
2:プル処理 (Pull) 露出オーバーで撮影し、減感現像
コントラストをコントロールできる
基本は、必要なときに使うトリック手法です
ネガフィルムは、オーバー露出にもある程度耐性がありますから、2のプル処理も好きならやればいいですが、
デジタルは、露出オーバーには強くないので(最近一部ソフトが、露出オーバーからの復元ができると宣伝して、一部の人がもりもり白飛びが回復とかステマやってますが、明らかに嘘くさいときが多いので、なんか内部でデーターに変なことをやってる可能性が)
露出アンダーを使うテクニック、
1のプッシュ処理 (pushing)の方をデジタルでは応用することになります
デジタルカメラで プッシュ処理を用いると、デジタルが苦手なハイライト部分の描写を改善し、銀塩フィルムのプッシュ処理にくらべ、コントラストの変化がほぼ起きないというメリットがあります。*ややノイズは増えます
ネガフィルム(ポジフィルムではない)は、ハイライト部分が255=白の領域を超えても、0に戻り(彩度は徐々に低くなる)、Shoulderとよばれる特性があるのに対し、デジタルカメラのデーターはハイライト側が、255を超えると、そこから先は、ハイライトのデーターが皆無の状態になるという違いがあります
*デジタルの場合厄介なのは、RGB(赤緑青)それぞれ3チャンネルがあって、そのうちの例えばR(赤チャンネル)のハイライト部分が255を超えてしまうと、Rチャンネルのハイライトの情報は皆無状態になり、他の青(B)チャンネルと、緑(G)チャンネルは、ハイライトが255を超えていなくても、デジタルではハイライトの階調や、色バランスが崩壊する現象も生じます このためデジタルカメラのヒストグラム機能は、R(赤)G(緑)B(青)が個別に表示できるものが、望ましくなります
という特性があるため、デジタルカメラでは、プッシュ処理を行うことで、デジタルでは階調情報が飛びやすい、ハイライトのデーターを多く取り戻せることになります
さてデジタルカメラのプッシュ処理のやり方ですが
A:撮影時に デジタルカメラの露出補正機能を使い(ISO感度は好きなものを選ぶ)
露出をアンダー設定(ー)にして撮影 まあ、1段くらいアンダー補正から始めてみよう
この作業で言えば、JPEGでもRAWでも大差ないです (大差があることにしたい人が,たくさんいますが ビット数を上げると、現在のデジカメは、ノイズが増大して行くので、結果としては(ノイズ処理などをいれるため)ビット数を上げても、画質が良好になるとは限らない。 Jpegは8ビットで256階調しかなく~とか騒いでる暇人たちは、スペック数字ばかり見て、実態はどうかが理解できない人たち(偽学力刷り込まれて喜んでいた、昭和時代の、大学受験世代学力の悲惨な洗脳教育被害者たち))
次に
B:画像編集ソフトのトーンカーブ機能(カラーカーブという名称になっているソフトも有る)を用いる(調整レイヤー機能にカーブ機能がある場合、調整レイヤーでのトーンカーブ(カラーカーブ)を用いたほうが「やや」望ましい. ただ、Gimp、Photoshop Elementsは、調整レイヤー機能でのトーンカーブ機能がないw)*このPushプッシュ処理の補正では、明るさ補正やレベル補正は使わない
トーンカーブをいじる、この際大事なのは、真中付近のカーブが持ち上がるように調整し、右側端(ハイライト)と左側端(シャドー側)のポイントはいじらないこと
Affinity Photoでのカーブ例 以下のようなトーンカーブが、見かけのダイナミックレンジを広げるのに使われる、どのくらいまで持ち上げるかに、正解はないので、そのへんは好みで
Corel Paint Shop Proでのカーブ例(一段増感補正)
Corel Paintshop Pro、Adobe Photoshopの場合、一段補正は 入力(Input)128, 出力(output)185, と、(入力input 57, 出力output 105)のポイントを2つ、トーンカーブに加えるのが、一応の目安(厳密な正解はないので、自分の好みにすると良い)*Affinity Photoだと、トーンカーブのポイント座標は、X 0.502, Y 0.725 および、X 0.224 Y 0.412 の位置になる ただし絶対の数値ではない=好みで変えるのは自由、なので念の為
なお、二段補正の場合は、上の作った2つのポイントを、ハイライト側(右側)方向に、斜め上にずらすように調整していくと良い(あるいは、上の1段補正カーブをプリセットとして保存し、二回繰り返しかけてやれば二段オーバー側補正が出来上がる、三段オーバー補正は三回ねw)
トーンカーブ持ち上げにより、ややノイズが増える場合があるが、その場合はノイズ軽減処理と、シャープネス加工を行う
こうしたRAW「現像」、JPEGのレタッチとか、後レタッチでの写真の改善(ライティングの付け足し)等による処理は、
あくまでも補助的なもので、
撮影時の工夫で解決できるものであれば(ハーフNDフィルター、NDフィルターを使ったトリック覆い焼き、追加ライト、各種紗幕、レフなど)、できるだけそちらを使い=「適正露出でとっても問題ない環境を作る」、画像編集ソフトによるレタッチなどによる補正は、軽く修正に使うという感じで使うのが良いです
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Adobe Photoshop Elementsは、トーンカーブ機能が簡略化されている(他ソフトやプロ用Photoshop CCとことなり、自分で細かくカーブを作れない)4ポイント(しかも8ビット)でしか調整できない謎仕様ですが、トーンカーブ機能自体は持っていますし、プッシュ処理のカーブは作れます(ただし調整レイヤーの機能としてのカーブ機能はない)
Adobe Photoshop Elements で画像をカラーカーブで補正する方法について説明します。
画像をカラーカーブで補正する
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop-elements/kb/6003.html
調整レイヤーを使用する(Corel Paint Shop Pro)
https://help.corel.com/paintshop-pro/v25/index.html?app=Corel-PaintShop-Pro&lang=ja#/l2TOC166
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