ロシアの英字新聞モスクワ・タイムズの記事
ウクライナは、もともとはキエフ公国として、ロシアはその植民地でしたが、力関係が長い歴史で逆転し、キエフ公国が一旦崩壊したとき、そのエリート層がロシアに逃げ込んで、新しい国家形成に加わったことから、ロシアは自分のほうが正当なキエフ公国の後継者と自認しました。
そして、ロシア帝国時代にロシアに併合されてから、ウクライナでは各種の独立運動を繰り広げてロシアとの紛争が絶えませんでした。ソビエト連邦に併合されてからも、ロシアに反抗する独立志向は強く、ロシアやソビエト連邦は、ロシア化を推進し、ウクライナ文化や言語を弾圧する一方、ソ連政府は、連邦制(加盟国家の同盟体)の加盟国家のウクライナに懐柔策も出し、ソビエト連邦の加盟国という立場でありながら、国連にウクライナの独自加盟と国連内で独自外交団を構成することも許可していました(ソビエト連邦の中核国家のロシアは、ロシアとしての加盟議席は国連になかった)まあ、ソビエト時代のウクライナソビエト社会主義人民共和国は、ソ連中央政府の操り人形でしかなかったのですが、
まあ、ウクライナは国としては存在していましたが、ソビエト連邦の加盟国という立場でロシアとの国境は事実上なく、もともとはスラブ系の国家で、モスクワ市は、ウクライナの起源であるキエフ公国の大公が、植民地として設立したことから、言語文化も近く、混血が進み、ロシアとウクライナは、双方に親戚がいる国民は珍しくなく、ウクライナ人でもロシア支持であったり、ロシア人でもウクライナ支持であったりの人が、ソ連崩壊のあとも多数残っています。
ソ連の崩壊を引き起こしたのは、ソ連中央政府の権威が失墜し、各国が本来の連邦制の加盟国であることから、独自の国家主権を回復するなか,
ソ連邦の大部分を占める加盟国、やっぱりソ連中央政府のお飾りだった、ロシア連邦の実権をエリツィン大統領が掌握し、ロシア連邦を国として機能させ始め、日本の都道府県とは異なり、ソ連の加盟国家はすべて本来内政に関する国家権力を持っていたのでその権限は強大なため、内部からソ連は無力化、第二次世界大戦時に強制的にソ連に加盟させられたバルト三国がソ連邦から離脱を宣言、独立、ソビエト連邦政府の権威が失墜する中、ソ連は強権的な体制を改め、本来の連邦制=加盟国の同盟体、EUのような緩やかな同盟に移行することを、ゴルバチョフソ連大統領は決意します
しかし、ウクライナが、各国の主権を大幅に強化した、新ソビエト連邦条約を調印せず離脱し、ソ連から独立を決めたことで、ロシアのエリツィン大統領が、一番美味しいウクライナがないなら、他の構成国はロシアのお荷物だ、ロシアも独立すると、ソビエト連邦を、より緩やかなEUのような国家共同体のように改変する、ゴルバチョフ・ソ連大統領が主導した、あたらしいソビエト連邦条約に参加しないと決めたからです。
ウクライナは独立後、ソ連の主要構成国であったことから、ソビエト連邦の後継国家としてその遺産分与でロシアと対立したりした時期もあり,ソ連の残骸の独立国家共同体CISにも一応は名前を参加国としていますが、正式には加盟せず、ソ連時代に反乱を起こした亡命政権を正当な政府と認め、ソ連から独立を主張していた国家の後継国家という立場を取り、ソ連時代を黒い歴史と葬り去りましたが、ソ連時代の核兵器をロシアに移管したり(このときロシアと核兵器移譲の代償として領土不可侵条約を結ぶ)、ロシアとの協調はCISの一部の協定には参加するなど続けていました
ただしウクライナでは次第にロシアの旧ソ連圏より、EU側との関係強化をもとめる動きが次第に強くなり、
2014年に、治安部隊(SBU 当時はロシア派の治安部隊だった)を使って恐怖政治を始めようとしたロシア派の大統領が、革命で逃げ出したあと、欧米より臨時政府による、ロシア語を公用語から外すなどの政策変更に反発した、ウクライナ各地ではロシア支持者と欧米との関係強化を求めるグループが各地で衝突、SBUなどの中のロシア支持派の特殊治安部員などは、政権が変わったことで欧米派からの迫害を恐れ、ロシア支持者の多いクリミアや東部に逃げ込み、もともとはロシア領であったクリミア自治共和国は、ソ連からの独立後も、ロシア支持者が多く、ウクライナからの独立を宣言、ロシア連邦に加盟と自称し、
ロシア系の住民や支持者の多い、ウクライナ東部でも、ロシア支持者と欧米支持者の対立が続いていました、
ウクライナ東部のロシア支持者たちは、ろくな兵器もなく、ウクライナ正規軍や治安部隊の敵ではなかったので、ハルキウ(ハリコフ)などのように、ウクライナ側治安部隊にあっという間に制圧されたなど劣勢でしが、ロシアのFSBの工作員や傭兵などの経歴を持つイゴール・ガーキン(ギルキン ストレルコフ)は、クリミアでのロシア支持派の支援で、クリミアの2014年独立を成功させた立役者の一人で、クリミアを制圧したあとは、ロシア国内から義勇兵をまとめ上げ、2014年4月12日一気にウクライナ領の東のドネツク州に侵入。Sloviansk市を制圧して、ウクライナに対する反乱を開始します
8月になると、ロシア連邦軍の兵士が、休暇を取ったという名目で、ドネツク州やルハンシク(ルガンスク)州に入り、独立派の民兵と合流を開始、長い内戦が始まりました ロシアからの援軍は2~3割はいたようです ウクライナ国内の独立派は、人材不足から、動ければ誰でも民兵に採用していたようで、戦力としてはかなりお粗末なのを、ロシアからの軍の経験者が支えたわけ
By Moscow Times Reporter
Updated: April 23, 2024
https://www.themoscowtimes.com/2024/04/23/10-years-later-russian-volunteer-fighters-recall-fueling-the-war-in-donbas-a84917
By Anna Dolgov
Nov. 21, 2014
https://www.themoscowtimes.com/2014/11/21/russias-igor-strelkov-i-am-responsible-for-war-in-eastern-ukraine-a41598
ガーキン(ギルキン)は、ウクライナ国内のロシア支持派の反乱を部分的に成功させた、ロシアにとっての貢献者とも言える功績がありましたが、彼が初代司令官となった自称独立国家・現在は自称ロシア連邦構成国家ドネツク人民共和国軍の兵士やロシア軍の兵士が正当な法律上の権利を保証されないようなら上官を撃ってやるという発言をネタに、プーチン政権から逮捕され、一審で懲役4年の刑を受け、控訴中
2023年6月末におきた、ワグナー傭兵を率いたプリゴジンの反乱は、そのまま行けばモスクワ制圧も夢ではなく、ワグナーに占領された街のロシア市民が歓声を送る有り様を見て驚愕したプーチン政権は、ワグナーを免責するとして反乱を抑え込みましたが
戦争支持派でも、プーチン政権に批判的なものを弾圧する方針に切り替え、
ロシアの右翼軍事ブロガーが結成した、怒れる愛国者クラブКлуба рассерженных патриотовの、一部メンバー、ガーキン(ギルキン)を含めてを逮捕しました
そのうちの一人が、
Влади́мир Васи́льевич Квачко́вクヴァチコフ、ウラジミール・ヴァシリエヴィチ退役大佐(ロシア連邦軍情報部)
Мирослава Регинская (Свободу Стрелкову!)
https://t.me/i_strelkov_2023/1073
Сегодня был апелляционный суд у Владимира Васильевича Квачкова. Не хотелось верить, что русского офицера, патриота, всею душой болеющего за Отечество, могут осудить за “дискредитацию” на основе постов в Одноклассниках.今日、ウラジミール・ワシリエヴィチ・クヴァチコフの上訴法廷が開かれた。 祖国を心から支持した愛国者であるロシアの将校が、オドノクラスニキへの投稿に基づいて「信用を傷つけた」として非難される可能性があるとは信じたくなかった。
Не хотелось верить, но ведь подобное не так давно уже произошло с другим русским офицером и патриотом — Игорем Стрелковым.信じたくなかったが、同じようなことがつい最近、別のロシア軍将校であり愛国者でもあるイーゴリ・ストレルコフ【ギルキン ガーキン】にも起こった。
По обоим делам о дискредитации армии постановление оставлено без изменений. И теперь в отношении Владимира Квачкова автоматически будет возбуждено уголовное дело по части 1 статьи 280.3 УК РФ, что предполагает до пяти лет лишения свободы.【ロシア】軍の信用を傷つけるどちらの場合でも、決議は変更されなかった。 そして現在、ロシア連邦刑法第280.3条第1部に基づき、ウラジミール・クヴァチコフに対する刑事訴訟が自動的に開始され、これは最長5年の懲役を意味する。
Первый пост, за который ему вменили дискредитацию армии — нарезка его цитат, сделанная нашим врагом на своем канале. Их склеили и выставили так, будто бы Владимир Квачков выступает противником проведения СВО, хоть и всем известно, что это абсолютно неверно. Второй пост — фейковая публикация, якобы от его лица, в социальной сети «Одноклассники», в которой Квачков никогда не имел страницы.彼が軍の信用を傷つけたとして告発された最初の投稿は、敵が彼のチャンネル上で発言した言葉を編集したものでした。 これらは、まるでウラジミール・クヴァチコフがSVO【ウクライナでの特殊軍事作戦】の実施に反対しているかのように貼り付けられ、提示されているが、これが完全に誤りであることは誰もが知っている。 2番目の投稿は、オドノクラスニキソーシャルネットワーク上で、クヴァチコフに代わって投稿されたとされる偽の出版物で、クヴァチコフはページを持っていなかった。
Ужасна эта несправедливость, творящаяся на наших глазах. И еще ужаснее то, что такая несправедливость прочно обосновалась в нашем правосудии и стала системной.私たちの目の前で起きているこの不正義はひどいものです。 そしてさらに恐ろしいのは、そのような不正義が司法制度にしっかりと定着し、組織化されていることです。
Дай Бог Владимиру Васильевичу сил пройти через эти испытания.神がウラジーミル・ヴァシリエヴィチにこれらの試練を乗り越える力を与えてくださいますように。
Влади́мир Васи́льевич Квачко́вクヴァチコフ、ウラジミール・ヴァシリエヴィチ退役大佐のテレグラム
https://t.me/KvachkovV
有罪とされていますが、彼はウクライナ侵攻作戦の支持者
Полковник Квачков и соратники
https://t.me/KvachkovV/1109
В Москве проходит репетиция парада, посвящённого победе Советского Союза над фашистской Германией.ナチス・ドイツに対するソ連の勝利を祝うパレードのリハーサルがモスクワで行われている。
Сейчас идёт война. Последователи Гитлера снова вторглись в нашу страну. Соотношение сил и средств говорит о том, что до окончания войны ещё очень далеко.今、戦争が起こっています。 ヒトラーの支持者が再び我が国に侵入した。 力と手段のバランスは、戦争の終結がまだ非常に遠いことを示唆しています。
Вы можете представить, чтоб, например, в 1943 году советское руководство проводило парад на Красной площади, посвящённый победе России над наполеоновской Францией? Сложно такое представить, правда?たとえば、1943年にソビエト指導部が赤の広場でナポレオンフランスに対するロシアの勝利を祝うパレードを開催したことを想像できますか? 想像するのは難しいですよね。
こうした人物も些細なことで、ロシア軍の信用を汚したということで逮捕されるのは、ソ連時代の恐怖政治と変わらない()
よっぽどプリゴジンの反乱と歓声上げて声援するロシア市民がプーチンにショックだったのか
まあ、途中で反乱中止したプリゴジンがただの馬鹿だったのですが、
弾圧抑制政策を進め、独裁国家になっていくロシア
2023年6月下旬のロシアの民間軍事会社ワグナー(ワグネル)総裁プリゴジンの反乱事件