アドビストックでのプレミア扱い販売が決まっても沈黙するStocksy United 経営陣

投稿者: 5190343667gg

さて、前回の記事で

AdobeStock アドビストック Stocksy Unitedとの共同販売と、エディトリアル素材の受付を開始

6月13日アドビストック(Adobe Stock)が大騒ぎではしゃいでいた、Istock創業者Bruce Livingstoneが開始して急成長のStocksy Unitedのコレクション、アドビでのプレミア価格帯での共同販売。

https://ja-jp.facebook.com/stocksyunited/
↑のStocksy Unitedの公式FACEBookは今日も沈黙を守っています。参加カメラマンSEan Lockeに言わせると、参加者の多くはアドビからのStocksy参加者優遇の寛大な条件提示に狂喜したと喜んでいたそうですが、Stocksy Unitedの経営陣はちっとも喜んでない様子なのです。この会社はよそと違って、経営方針は経営側とカメラマンの投票で決まるので、カメラマン側の意思が強かったことになります。

かつてBruce LivingstoneはIstockをGettyに売却しましたが、本人はGettyから買収したいとの提案があったとき、大して乗り気じゃなかったのです。彼はIstockは、デザイナー主体のコミュニティーで、そこそこみんなが稼げて会社が赤字で無ければいいとしていたわけです。実際初期のIstock有料化のときも、当時はインターネットのサーバーにかかる費用がとんでもなく高く、それを見た参加者たちが、会社の経費がかかるんだろうからと、自分たちからマージン20パーセントでもいいと申し出た、会社というより[これからはじめるベンチャーを参加者全員で大きくしよう]という交流サークルだったわけです。

当時のIstockはデザイナーサークル「みんなで相談して決める」の余韻が残っていたので、Gettyからの買収申し込みがあったとき、Bruceは他の主要メンバーと意見交換をしました。すると多数のメンバーが巨大企業のGettyimagesの傘下に入ればもっと儲かると、守銭奴的な態度をみせたので、多数決で売却が決まったと当時を思い出しています。


その後Bruceは会社の成長とともに、Istockの専属として活動するなら、貢献度に応じてローヤリティーの割合を増やすなど、初期に20パーセントマージンを引き受けた「これから会社を育てていこう」という趣旨に同意した参加者たちに恩返しを始めていきました(Bruceがはじめた貢献度によるマージン率変化は、当時は生涯有効で、今のIstock, Pixta, Photolibraryのように一年で失効するという極悪なものではなかったのです)。専属の参加者のマージンは思い切り低くしていたのは、専属コンテンツ専用会社に転換させる意図があったようです。

が、Yuri Arcursのようなスーパースタークラスに多く見られた、仮にIstock専属になっても、他社併売合計より収入が10パーセントほどしか下がらない状態なのに、非専属を選び、他の会社で定額纏め売りの馬鹿安売りを仕掛ける「自分さえ良ければ」参加者たちの活動で、Istockは徐々に競争と値下げを強いられることになっていきます。ユーリがShutterstockを育てたといっても過言じゃないでしょう。その後Yuriは、定額安売りサイトの躍進で、Istockがストックフォト市場での主導権がなくなった時点で、定額安売りのないIstockに逃げ帰ったことで、かなり痛烈な批判を浴び、彼の行動が遅すぎたことで、結局彼自身Istockでの定額安売り導入とともに、旧作の多くを定額制バーゲンに出すハメとなりました。ただし巨大スタッフを抱える彼は常人の数倍の努力でその困難を克服しましたけど。


Bruce LivingstoneはGettyimagesのIstock買収後、数年でIstock社長を辞任しています.

ですが、Gettyimages自体は、ブログで単語が並んだだけのストックフォト業界の言いたい放題を書く写真素材DVD販売の会社を売却とともに追い出された「入社試験で人生が止まったままの元社長」とは違いゲッティはBruce Livingstoneの人望と才覚を高く評価して、さらに責任の重いチェアのポストについてほしいといっていたほどなんです。(実際に「追放された」のはIstockの当時のスターカメラマン・Sean Lockeです)

Bruceがistockの社長を降り、さらにゲッティイメージズグループ自体も辞任したのは、厳密に言うと追い出されたわけではなく、ゲッティの新方針「マーケットの拡大の収益性の向上」というテーマに同意できなかったからだと述べています。彼はIstockはクールなデザイナーがそこそこの認知で、楽しく、みんなが赤字にならないでいればいい場所=ブティックだと考えていたので、Istockを目先の収益計算ばかり考えるスーパーマーケットチェーンにするようなマーケット戦略をしたくなかったからです。

今回のAdobe StockとSocksy Unitedとの共同販売で、Stocksyの参加カメラマンの一部と、アドビが興奮してるのと対照的に、Stocksy側の経営陣が沈黙してるのは、創業者Bruce Livingstoneの「Adobeへの参加は、みんなの決定だから従うけど、世界進出も収入自慢も、俺が目指しているのとは違うんだ。きみたちカメラマンも、その場の収入追いかけてるのはみっともないぜ」 という隠れたメッセージともいえるんでは?

よくいますよね、売上報告、売上枚数自慢のブログ気軽に報告している馬鹿がいますけどShutterstockの契約事項では本来は禁止事項ですよ。宣伝効果がある限り会社はその契約文見ない振りしますけど、何かの都合で追い出したい場合とか、その条項が持ち出されるわけです。Shutterstockがその条文持ち出して書き込み削除させた事例は、一度Raurenという著名カメラマンが「今月の売上は一枚だけだった」と書いて、それが消された例があります)、どこで採用されたのがこの会社で採用されないのはおかしいとか、専属優先はおかしいとか、ああいう順位自慢、さらに「自分の目先の収益さえ良ければいい」連中は、Bruce Livingstoneが一番嫌いな連中なんです。

****最近まったく見なくなって長いですが、プロ野球、野球の巨人軍の低迷と、日本ハムのトレードに出した大田外野手の特に巨人戦での大活躍の責任を問われる形で、堤巨人球団GMが辞任したとありますが、読売新聞の取締役によこすベりしただけで、ちっとも責任なんか取ってないよね。

Bruce Livingstone>>>>>>>>>>>巨人堤元オーナー