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タグ: 補正

シフトレンズ(アオリレンズもしくはアオリ機能付きアクセサリー)ではなく、普通の交換レンズとパノラマ雲台、時として手持ちでPhotoshopのPhotomergeなどのパノラマソフトだけで高画質ポートレートを分割撮影から合成する方法

アオリレンズのシフト機能を使った分割撮影で、中判がなくてもフルサイズデジタルカメラ(やもっと小さいサイズのカメラ)でモデルを分割撮影し、後から合成で一枚にすることでもスーパー高画質の写真は作れることを書いてきましたが。

アオリレンズや、パノラマ雲台とか言った機材がなくとも、人物がいる光景の写真と、人物がいない光景の写真と言った具合に、左右に分割して撮影し後からパノラマソフトとかで合成するだけでも、ぶっちゃけ結構うまくいくケースもあります(本記事後半で解説)。

でも、立っている人物を頭、胴体、足と言った具合に分割して撮影して、それを合成で1枚の写真を仕立てる場合、アオリレンズのシフト機構や、普通のレンズをつけたカメラをパノラマ雲台の載せて撮影する方法のほうが失敗は少ない。

アオリレンズのシフトを使わず、普通のレンズ+パノラマ雲台を使う場合。

パノラマ雲台を使い、プレートなどで視差=Parallaxを起こさない位置にカメラを移動させ、そこを起点にカメラを回転させ分割撮影を行い、後から1枚の写真に合成する方法です。

視差=パララックスを起こさない位置は、ノーダルポイント(Nodalpoint)と呼ばれますが、それの設定方法は、パノラマ雲台と呼ばれるものを使って探します。
以下の記事参照

「 Nodal Ninja3 MkIIを使ってノーダルポイントを見つける~業務向けの高品質な360度パノラマ写真の作り方を紹介【第3回】」
http://www.dronediy.jp/2016/01/nodal-ninja3-mkii360.html

パノラマ雲台ではなく、もう少しかんたんなノーダルポイント設定用のスライダーを用いて、ノーダルポイントを設定する解説は、前の記事でも紹介した

「Lightroom 実践力アップ講座 第38回 Lightroom CCでパノラマを使いこなせ」解説:湯浅立志」

http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/lightroom/8909.html

の後半「合成の手間を省くためにできる撮影時の工夫」に解説が出てます

とはいっても、上に見るように正確なノーダルポイント設定が結構面倒で、きっちり調整したつもりが被写体の距離が違うと設定し直しとか、現場でぶっつけでノーダルポイント確認することも多くなります(遠距離(200メートルくらい)になるほど、適当か、まったくなくてもソフトの進歩で勝手に補正してくれるので大部分のケースでかまわないのだが、近距離でごちゃごちゃしたシーンになればなるほど、ソフトウェアで合成失敗する確率が高くなるので、撮影時にノーダルポイント設定をきちんとスべきケースが多くなり、設定が難しくなる)、忙しい撮影スケジュールだと、ほぼアバウトにノーダルポイントを決めることが多くなります。逆に事前に使うレンズのノーダルポイントがはっきりわかれば、アオリレンズのシフト機能より手っ取り早い場合もありますし、アオリレンズのステッチ(=スティッチ)で分割するやり方とは、出来上がりの合成写真は、背景の圧縮具合が違ってきます。

Creative Ways of Using Stitching (ステッチ合成の創造的なやり方)
12 Mar 2013
http://blog.reallyrightstuff.com/creative-ways-of-using-stitching/

には、モデルを頭から足まで五枚撮影し、合成した例がでてきます。

the Brenizer Method(Brenizer(http://ryanbrenizer.com/)という人が広めたのが呼び名の始まり。原理自体は19世紀から考案されていたが、アナログフィルムの時代は手間がかかりすぎて広くは使われなかった)と呼ばれる手法があります。

パノラマ雲台を応用(近距離になればなるほど手持ちは避けた方がいいが、実際のロケとかでは時間制約から手持ちで行われること多し)して、標準から中望遠レンズの開放あたりの絞りを使って、あたかも超広角の開放絞りでとったのように、しかも背景が望遠の圧縮効果で大きく見えるように見せかけるわけ(広角レンズで撮影した場合背景はもっと小さくなっちゃいます)。

人物以外の風景も大きく取り入れる場合、写真30枚ほどのステッチ分割撮影をノーダルポイントを設定したパノラマ雲台を用いて行い、広角レンズの24mm1.4とかでは絶対出せないボケの世界を演出する技法です。もちろん、中判無しでの高画素写真を作れるメリットもありますが、30枚の分割撮影をモデルが止まってくれている間に行うわけで、プロのモデルでも静止してるのは30秒位。手際よくやるのが必要。


アオリレンズを使う場合でも、同じようなボケではないですが、シフトと同時に逆ティルトをかけることで、広角レンズで絞ったまま、被写体以外をうまくボケさせることは可能です(背景は小さくなりますけど、練習がいる)。

広角アオリレンズ(Canon TS-ECanon 24mm ts-e f/3.5 II、45mm TS-E)で、ティルト機能で意図的にピントの位置をずらし被写体以外はボケるようにした例は下の記事など。
Creating Artistic Portraits Using A Tilt-Shift Lens June 19th 2016 1:00 PM

Creating Artistic Portraits Using A Tilt-Shift Lens

広角ティルトレンズの場合は、圧縮効果がないので、背景がビヨーンと間延びしますね。これはこれでいいのですけど。

また、アオリレンズならではの描写があり、下の画像のように手前のカップルと、後ろに離れた石垣にのみピントを持ってくる写真は、アオリレンズのティルト機能があってこそできる写真ですね。

http://www.slrlounge.com/wp-content/uploads/2016/06/jay-cassario-tilt-shift-4.jpg

(↑直リングでの画像インライン表示は不正利用ではないと日本の裁判所では判例がありますが、ネチケット的にインライン表示は、さけました。Youtubeみたいに向こうでインライン表示拒否設定をユーザーが選択する場合はともかく、そうでない場合は、個別に判断してます。サウザーネタみたいに相手の宣伝になり、向こうの利益にもなる、画像は小さい低画質のものと判断出来れば画像インライン表示することもあります)

 


ただし、Brenizer Methodは、撮影現場での制約から、パノラマ雲台も用いず手持ちで行うことも結構ある。モデルが止まっていられるのはせいぜい30秒ということを考えれば、3~5枚撮影ならともかく、30枚近くの分割をパノラマ雲台で行うのは逆に難しいから。視差=パララックスは被写体との距離が近ければ近いほどシビアになるので、手持ちの場合はモデルからある程度離れたほうがいいといえますね。


できるだけ失敗しない(特にパノラマ雲台を使わず手持ちでやる場合に重要)Brenizer Method(主にポートレートなどの撮影に用いられる)合成パノラマ撮影のコツは、

1)できるだけメイン被写体の前にじゃまになるものを入れない。

2)カメラを若干回転させるので背景のパースが変わりやすいので、背景をぼかして合成ソフトが多少失敗しても、ごまかしやすくしておくのが良く(あるいは単純な白バックなどを用いる)、絞りは開け気味のほうが成功率は高いようです。

3)中望遠から望遠レンズを使う フルサイズだと85mm使う人が結構いますが、失敗を減らすにはフルサイズカメラで100-200ミリくらいの望遠が最適。まあ、宣伝にヨンニッパ使ってる人もいましたがw手持ちの場合、長い望遠レンズを使うほど、視差=パララックス(Parallax)による合成失敗の確率が減る。逆に広角レンズになればなるほど三脚(トノーダルポイント修正がなされたパノラマ雲台)を使う方がいい→手持ちでは広角レンズ利用は距離が近い場合避けた方がいい

4)合成する隣のコマと、50%くらいの部分が重なり合うのが望ましい

5)PhotoshopのPhotomergeなど機能で合成する際、自動は選ばず、Cylindrical(シリンダー、円筒形)を選ぶほうがエラーが少ない(*この点はAUTO=自動の方がいいという人もいますし、フォトショップよりパノラマ専用ソフトのほうが精度が高いし、調整も楽と議論があります。自分の経験ではフォトショップより、パノラマ・ステッチソフトであるPTGUIのほうが精度も高いし、合成間違いをポイント指定で修正する機能など、レイアーをちまちま動かして修正するフォトショップより優れていると思います)

6)絞りは開放に近い絞りを選べ=あまり絞るな=明るい単焦点が望ましい(Brenizer Methodは広大な光景の中のポートレートを意識した場合に有効な撮影法なので、背景が飛ばすのが望ましいからということもありますが、手持ちの場合、どうしても起きやすい視差=パララックス=Parallaxの狂いや合成のちょっとしたエラーが、細かい背景の場合でやすいのをぼかしてごまかせる)ただし、絶対じゃないですので絞っていいいかどうかはケースバイケースで考えましょう。

7)ピントはメインのモデルなどで合わせてから、MFでピントを固定して分割撮影をする。モデルと離れたところから撮影し、もう一度モデルのところまで戻って来た時、手持ちゆえ狂ってないかもう一度ピントを確認。

8)露出は全コマ同じ露出でマニュアル固定。

 


実践方法の解説は

5 Steps to Rock the Brenizer Method. A Post By: Danielle Ness
https://digital-photography-school.com/5-steps-to-rock-the-brenizer-method/

さて、Brenizer Method実際はアオリレンズでもない普通の85mmレンズで、分割撮影して行われることが多いわけで、以下の動画に実例が手短に要領よく解説(引用ではなく、インライン表示です)、

(以下のシリーズは説明がかなり冗長ですね。)

この方法の場合、手持ちで撮影した場合、ミスでかけている部分が出るのは普通で、実際に合成素材撮影がうまくいったかどうかを確認するため、パノラマソフト=かPhotoshopを入れたノートパソコンを現場に持ち込んで、撮影後実際に合成できるかどうか確認できるようにした方がいいでしょう。

他にも手持ちで分割撮影→合成した例です

How to Make a Panoramic Portrait by Casey Cosley
March 13, 2017
http://blog.creativelive.com/creativelive-challenge-panoramic-portrait/

手持ちでさっとやっただけなので、背景の樹木が若干へんになってますが、ボケてる部分なので、目立ちませんし、言われなきゃ気が付きませんね。

 


シフトレンズの活用 ステッチ撮影 小型カメラ・低画素カメラで無理のない高画素写真を作る。一眼レフ用のアオリレンズやアダプターだとパララックスの狂いが合成の障害として生じる場合があるけど・・・

アオリレンズ その2 ティルト機能編 弘法は筆を選ばず レンズベビーの活用 レタッチソフト機能による代用 (おまけの応用)シフト機能を応用して中判いらずの超高画質撮影

Hugin無料のパノラマ作成スティッチ(ステッチ)ソフト

シフトレンズの活用 ステッチ撮影 小型カメラ・低画素カメラで無理のない高画素写真を作る。一眼レフ用のアオリレンズやアダプターだとパララックスの狂いが合成の障害として生じる場合があるけど・・・

現代ではアオリレンズと呼ばれる機能のうち、シフトと呼ばれる、主に広角レンズで発生しやすいビルの上になるほどすぼまったり、下ほどでかくなったり、モデルの足が短足になったりの補正は、アオリ装置で行うと、大掛かりな装置になりやすく、撮影時の手間・モデルとのテンポを考えると、超広角以外はパソコンのソフトのパース補正=アオリ補正とかいう機能で賄うほうが手っ取り早い時代になりました。

ただし、アオリレンズのシフト機能を用いれば、ステッチ撮影(Stitch, スティッチ、スティッチングと呼ばれることが静止画の方では多い)という複数分割撮影した画像から、超高画素の画像を生み出す撮影に役に立つ場合もあり、左側にモデルが居る場合、左にシフトした写真を撮影、その後右側にシフトさせて右側の景観を撮影。その後パノラマ作成ソフトや、PhotoshopのPhotomerge機能などで合成して、中判いらずの高画素写真を作ることもできます。モデルの全身写真でも動きにくい場所を起点として、同じように分割撮影して合成する方法もあります。


ただし、ステッチ撮影自体は、直線等が特に問題にならないなら、手持ちで普通のレンズが付いたカメラを水平・上下に平衡を保ったままに動かしていって、後からパソコンで合成するのでも、パソコンも賢くなっているので、そのあたりをうまく繋いでも、ぶっちゃけ結構使えちゃうので、アオリレンズのシフト機能は必ずしもいらない

レンズの歪曲データーがなくても、合成された写真から、うまく直線を判断して歪曲やパースを補正するソフトまである時代です ←室内で色々家具とかあるとうまくいかない場合がある。

【レビュー】建築写真のデジタルシフト補正に特化したレタッチソフト「ShiftN …

forest.watch.impress.co.jp/docs/review/514917.html

 

ShiftN

てなわけでステッチ撮影はシフトレンズを使ったほうがいい場合もあるのですが、建物のネジ曲がりとか歪曲とか細かいことを気にしない・気にならない光景なら、普通のレンズがついたカメラ自体を動かして撮影する方法もあります。シフトレンズを使った場合、三脚が好ましいという人もいますが、デジタル時代で高感度が平気で使えるので、壁などを支えにして手持ちで済ましても結構うまくいきます。

まあキヤノンの古いデジカメの時代から、デジタルでかんたん手持ちお手軽ステッチ撮影=合成大画像撮影の機能はあり、今でも解説が残っています。

「スティッチって何だろう? 」(←ステッチもスティッチも同じ意味です)
http://web.canon.jp/imaging/SOFTWARE/stitch/camera/what_is_stitch.html

というページで大昔のキヤノンの安物クラスデジカメで、シフトレンズなしにステッチ撮影する方法が解説。

http://web.canon.jp/imaging/SOFTWARE/stitch/camera/satuei.html
には、シフトレンズを使わないでステッチ撮影を行うためのアドバイスとして、
「スティッチのための撮影ヒント ★風景を撮影する場合は、なるべく近くの被写体を入れるのは避けましょう。 ★原稿を撮影する場合は、カメラを原稿面に平行に動かして距離を一定に保つよう撮影しましょう。 」(上記リンク引用)

まあシフトレンスとかを使わないでのステッチ撮影のコツは今も変わりませんね。


厳密に言えば、シフトレンズを用いる、カメラを水平に動かす、パノラマ雲台を用いて、カメラを回転させながら撮影する(カメラごとに動かす、あるいはパノラマ雲台の場合、被写体が200m位離れていればほぼ無視していいし、それ以下でもソフトの改良が進み実用の問題が出にくいことが多い)、場合、どの方法でも「状況によってはパララックス=Parallaxに注意する必要がある」場合もあります。

アオリ操作は本来はレンズを動かさず、カメラ側を傾けたり、上下左右に移動させるものです。シフトレンズを左右や上下にシフト移動した場合、大判カメラ(もしくは大判カメラやそれを模したビュータイプアオリ機構に一眼レフをアダプターで取り付けた場合)と違い、一眼レフ用のアオリレンズはレンズに三脚座がないので(アオリアダプターも一緒)、カメラを三脚につけるため、レンズを動かす形となり、厳密なParallaxに狂いが生じて、特にピントがきっちり来ていない、細かい半分ボケたような被写体で垂直かあるいは近い状態で立っているものがある場合、コンピューターで判断を誤り、合成がうまくいかない場合があります。

こんな場合ですね
http://www.outbackphoto.com/workflow/wf_48/essay.html

これの解決法として、ああおりをシフトさせた場合、プレートなどを使いカメラ本体を逆方向にシフトさせた量と同じに動かすという方法があります。

http://wiki.panotools.org/Flat_stitching_for_tilt-shift_lenses

Workflow Technique #058 Avoiding Parallax while Stitching with Shift Lenses
http://www.outbackphoto.com/workflow/wf_58/essay.html
の中で説明されてます。

パソコンソフト側の合成能力が飛躍的に上がってるので、今では無視しても良いケースが多いのですが、それでもトラブルになる場合の対策としては、

プレートか、カメラを平行に移動できる代用品を、シフトレンズをシフトした方向と逆方向で、同じ長さにカメラごと水平に移動させて撮影してパララックスの狂いからくる合成の狂いを防ぐという原理。。左側に10ミリレンズシフトさせた場合、カメラはプレート上で10ミリ、右側動かしてパララックスを防ぐ手段。

カメラを狂いなく平行に動かす専用品は、三脚+マクロスライダーとか言われるものを応用すれば、左右の移動量の目盛りが付いており、狂いなく左右に被写体に向かって平行を保って動かせます。
プロ向けはRRS – Premium macro focusing rail
http://www.reallyrightstuff.com/B150-B-Macro-focusing-rail

ただしここまで大げさでなくても中国製のちょい品質は劣りますが、それでも安い
SUNWAYFOTO サンウェイフォト SF0251 [MFR-150 マクロフォーカシングレール]←アマゾンやE-bayなどで中国から直接取り寄せればもっと安い。
http://www.yodobashi.com/product/100000001003456859/

もう少し品質は下がり、個体によっては(実用では気が付かないほどかすかに)ひん曲がってたり動作がぎこちない可能性があるますが
NEEWER カメラ用 四方向 マクロフォーカス用 スライダレール/スライダー Canon,Nikon,Sonyなどのカメラに対応 【並行輸入品】購入前無名メーカーのものは移動量の目盛りがついているものを選びましょう。

あるいは三脚の雲台のクランプとカメラ側の接続をアルカスイス式にするという方法

SUNWAYFOTO クイックリリースクランプ Manfrotto / アルカスイス互換 MAC-14

など目盛りがついているので、プレートの付いたカメラを移動させる方法もありますね。

ただしいつも必要なわけではないので、どんな背景や風景だとParallaxの狂いが合成でじゃまになるかは(だいたい、まっすぐかそれに近い状態で、縦方向に立っている細かい被写体)、経験で判断することになります。なんならソフトの処理で消しちゃってもいいわけだし。

もう一つは、
レンズ本体に専用三脚座を増設してそこを起点として(カメラの方を動かすという感じで)シフトを行い、一眼レフでのParallaxの狂いを回避する方法

Canon TSE Tripod Collar – HCam & Hartblei
http://www.hartblei.de/en/canon-tse-collar.htm

Hartblei の各社対応(ニコン・キヤノン・ペンタックスなど)互換のアオリレンズの一部は、バックシフトやティルトに対応した三脚座が最初からついている高性能仕立て。もともとは旧ソ連のウクライナの製品でしたが、構造のパテントが譲渡されてドイツに販売ごと移管され、高くなった分品質は上がりました。ドイツから直接注文のみ。でも、実用には重い・高いですよ。

Hartblei 4/40 IF TS Superrotator

http://www.hartblei.de/en/sr40if.htm

HARTBLEI Digital 45mm Super-Rotator Tilt Shift Lens Small Format

http://www.hartbleilens.com/product_info.php?products_id=2

中判カメラ用(PENTAX645、67,ハッセルブラッドVマウント、マミヤ中判645レンズなど)のレンズをアダプターで使う場合、ソニー機やミラーレスであれば、中判レンズ三脚座付きのニコン用マウントアダプター(別にEOSのEFマウントでもいいけど)+キポンなどのニコン・ソニーEマウント用(もしくはキヤノン。フジミラーレス)ティルトシフトマウントアダプターと言う組み合わせでも実現できますね。

更にかんたんなのは (合成結合部分に垂直に立っている草のように細かい被写体を入れない。垂直側に目立つ被写体がない部分を合成部分に選ぶ)
http://www.outbackphoto.com/workflow/wf_48/essay.html
このケースでは下の、たてに並ぶ細かい草原や、フェンスで微妙なParallaxの狂いが生じて、ピントが合っていないこともあり合成がうまく行かなかったので、上下に分割、草原やフェンスの部分は下、建物から上を上として分割撮影するとパララックスParallaxの狂い目立ちにくく、合成ソフトも遥かに簡単に合成してくれますし、万が一ちょい変な部分があっても、修正も楽。

その他のトラブル回避のコツは、被写体より近い位置で、目立つのものを、ステッチ分割撮影の合成部分に入れないということですかね。

おまけでさらには

細かいものがボケているほどパララックスの狂いが、パソコンの判断を狂わせ合成を邪魔するので、左右にシフトして合成する場合、下側にレンズを同時にティルトさせて、ピントが確実にあっている面積を増やすということをやってる人もいます。これもかんたんな実用手法でうまくいくという人がいます。


とはいうものの

実際のところパララックスの狂いは、現在コンピューターのソフトが進歩して、どんどんうまく合成してくれるので、上に書いたような懸念は、特定の条件以外は、特に対策が必要がないとする人達も増えています。なんせ今ではパソコンの進歩で、アオリレンズすら使わないで普通のレンズで建築物分割撮影してステッチする人もいて、結構きれいに仕上がるんでから。

”Stitching with Tilt Shift Lenses to Create High Resolution Images”March 7, 2011 by Stephen
http://bayimages.net/blog/stitching-with-tilt-shift-lenses-to-create-high-resolution-images/

という記事の中で(以下引用)
Note that technically to avoid all parallax errors you should keep the lens fixed and move the back of the camera. ・・・ However, I’ve found this to be unneccessary as the software for compositing CS5 photomerge has never had any problems with the very small amount of parallax error introduced (even when there are close objects)”気をつけることはだね、技術的には、パララックスの狂い回避には、レンズを固定したまま、後ろ側についてるカメラを動かすべきなんだ。・・・でもね、Photoshop CS5のPhotomerge機能で、ごく僅かなParallaxの狂いが(近距離の被写体でも)でトラブルになったこともないし、いちいちパララックス補正みたいなことは必要とはいえないよ。

ということなのです。まあ、かなり近距離のマクロ撮影、ブツ撮り専門の人とかで、パララックスの狂いでシビアな条件が出る可能性がある人だと、こうしたパララックスの狂いで、たまにトラブルに成るときは、この記事に書いたようにカメラ側は、レンズをシフトさせた方向と逆に動かすということを覚えておくといいでしょう。低価格ストックフォトでステッチ撮影までは、イランとは思いますけどね。ここまで今いるのは撮り下ろしの高級カタログ撮影くらいかな?

ソフトごとに結構得意不得意があるので、フォトショップ以外のパノラマソフトなども別の記事で紹介する予定です。


アオリレンズ その2 ティルト機能編 弘法は筆を選ばず レンズベビーの活用 レタッチソフト機能による代用 (おまけの応用)シフト機能を応用して中判いらずの超高画質撮影

アオリレンズ その2 ティルト機能編 レンズの光軸を動かす

アオリレンズ その一 シフト機能編

パララックス補正はソフト側の進歩でいらないという人も増えましたが、ソフトごとの優劣もあるので検証は必要。

下の記事ではPhotoshopとLightrommという、同じアドビのソフトでも能力の差があることを指摘しています。記事内の「合成の手間を省くためにできる撮影時の工夫」の項目参照。

*この記事、アオリ撮影は、本来は大判カメラやビューカメラに見られるレンズを動かすのではなく、カメラ側(受光部分)を動かすもので、一眼レフのようなレンズを動かすアオリは、変則的な使い方という説明がないので、多くの人が視差=パララックス補正を忘れちゃうケースが出てくる。この記事で視差補正で紹介してるのはアオリレンズのシフトのケースではなく、カメラを回転させて撮影するパノラマ撮影でのパララックス=視差補正のやり方。プレート使ってますね。

Lightroom 実践力アップ講座 第38回 Lightroom CCでパノラマを使いこなせ」

解説:湯浅立志

http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/lightroom/8909.html

手持ちで結構できちゃうというぶっちゃけた話や、HDRを使う方法など軽く読むと参考になる。

アオリレンズ その一 シフト機能編

ニコンやキヤノンにはPC-E とか TS-E とかいったアオリ専門のレンズがあります。 ニコンのPC-E 24mm とか キヤノンはTS-E 45mmとかの名前で売られています

[PY] フォトヨドバシ CANON TS-E24mm F3.5L II | photo.yodobashi.com

http://photo.yodobashi.com/gear/canon/lens/tse2435.html

アオリレンズとはレンズを上下左右にずらしたり(シフト)、斜めとかに傾ける(ティルト)特殊レンズです。

シフト機能のあるレンズは、ニコンキヤノンのほかにはウクライナのArax(ウクライナ製にしては高い), Hartblei(ウクライナ製にしたら目の玉が出るほど高すぎ)があおりレンズを作っていています。

https://www.hartblei.com/

そのほかシュナイダー製のドイツ製高級タイプが一時期ありました、蛇腹など応用の大きなアクセサリーがZork, horsemanなどからもでています。

一眼レフ用のアオリ機構搭載レンズはニコンがはじめに作ったようです。

【第十七夜No.17ニコンF用 PC-ニッコール取扱説明書】

http://www.nikkor.com/ja/story/0017/manual/


ここではアオリレンズのシフト(それ専用のレンズはシフトレンズとも言われる)の機能を取り上げます
 
*シフト機能について参考
【山形豪・自然写真撮影紀:アオリレンズをフィールドで使う – ITmedia LifeStyle】http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1309/27/news106.html
【ニコンDfでアオリ撮影用「PC-Nikkor」新旧3本撮り比べ】糸崎公朗(2014/1/23 08:00)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/labo/631621.html

【FD 24mmF1.4 S.S.C. ASPHERICAL シフトアダプターで建築撮影に挑戦】輸入代理店新東京物産株式会社のブログ http://www.tokyotrading.jp/blog/201510_lens01/

こうしたアオリレンズでシフト機能(上下左右にレンズを動かす))は

 1:広角レンズで形がゆがんだ建築物をまっすぐに補正したり、

2:室内に鏡があって、撮影するとき、カメラマンとカメラが写りこんで邪魔なとき、カメラマンが左側により、レンズのシフト操作でレンズを右側に動かすことによって、カメラマンとカメラが鏡に映りこまない といったテクニック

 3:シフトで左にずらしたもの、右にずらしたものをフォトショップなどで合成して超高画素パノラマ写真を撮影するステッチ撮影の道具にする。(上下縦方向でも応用できます)

などで使われます

といってもデジタル時代なので

(1)の用途であれば、フォトショップなどで補正加工もできますし*a
そのほか、広角レンズで上下を広く取って、撮影し、トリミングで真ん中だけを切り出す。高級住宅のカタログでもなければ、これで大部分間に合うことがほとんどでしょう。
*この方法は下に紹介されてます
http://prokizai.heteml.jp/topics/?p=163

(1)の手法は、ポートレートで広角レンズや標準レンズで撮影するとき、足を長く見せたり、短く見せたりするといった撮影にも応用できますが、アイドルグラビアとかの加工はフォトショップでのデジタル加工が主流になってきているので、絶対にシフト機能がついたアオリレンズがいるわけではないんです。建築写真には、シフトレンズが必須なときもある、が正解でしょう。

フォトショップで建物のゆがみを補正すると、大体画素数が30パーセントから半分失われて、「劣化」するわけです
*参考【進化した「レンズ補正フィルター」① 写真・解説:竹澤宏】
http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/photoshop/8199.html
より買いやすい画像編集ソフト・コーレルのPaintshopにも同じ機能はあります
http://www.paintshoppro.com/jp/learn/psp-x2-slope-distortion-1.html

ソフトでやると画素数が減ったり画質が劣化するわけですが、アオリレンズで光学的にシフトをかけても周辺部分には光学的な解像度の落ち込み・色収差の増加、カメラ内蔵露出計がオーバー側に暴れるなどの劣化が生じます(シフトによる光学的な劣化は、上の参考記事で上げた・【ニコンDfでアオリ撮影用「PC-Nikkor」新旧3本撮り比べ糸崎公朗(2014/1/23 08:00)】の実験を参照されたし)。
現在ではデジタル補正、光学的なシフト動作による補正のどっちがいいというのではなく、機材を持っていける条件なら、両方をうまくミックスさせてバランスよく使うというのがよいでしょうね。アオリレンズのシフトで大体の補正をして、フォトショップなどで仕上げるのが、一番画質がいい結果とも言えそうです。

(2)の機能も、撮影する被写体にもよりますが、写りこんだカメラマンとカメラを後から消しちゃうのは、フォトショップで手間はかかるけど丁寧にやればできないわけでもないし、参考「写真から不要なオブジェクトを削除する」 https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/how-to/remove-object-content-aware.html
(3)の機能も普通のレンズでも、自分で動いたりして撮影したものを合成パノラマにする機能を持ったカメラは多くあるし、ステッチ撮影用雲台で代用できないこともない。

そもそも建築物の資料的な撮影であればともかく、風景写真であれば、ビルの上側が若干すぼまって写る普通の写真のほうが、遠近感がでてより迫力が出たりするので、シフト機能を使っても、補正はほどほどにとどめたほうがいい場合もあります
マイクロストックとかストックフォトでシフト機能がついたあおりレンズがいる場面は、実際はそれほどないですね。長期撮影旅行で一人旅だと、重くて大きなシフトレンズを持ち歩くより、軽量な通常のレンズを使って撮影し、フォトショップなどでのデジタル補正にお任せするほうが、現実的でしょう。


注釈
a:フォトショップなどの有料ソフトがなくても、直線の多い写真であれば、ビルの上がすぼまって写るパースの補正を歪曲補正まで含んで計算して修正してくれる無料ソフトがあります。
【REVIEW(12/02/28)建築写真のデジタルシフト補正に特化したレタッチソフト「ShiftN」】
http://forest.watch.impress.co.jp/docs/review/514917.html

個人的に、こうしたデジタルあおりシフト機能補正で一番使う機会が多いのは、有料ですがDxO ViewPoint 2というソフトです
http://www.dxo.com/jp/photography/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB/dxo-viewpoint-2%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%A6%E8%A4%87%E9%9B%91%E3%81%AA%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%AD%AA%E3%81%BF%E3%82%92%E8%A3%9C%E6%AD%A3%E3%81%99%E3%82%8B


デジタル補正ではなく、アナログ手法で比較的安値でアオリレンズのシフト機能を楽しむには

デジタルにしろアナログにしろ、シフト補正はそれぞれ画質劣化をするものなので、本ブログではデジタル手法だけで間に合うならそれでもいいし、両方をうまくバランスよく使うのがいい

という立場ですが。

 ※安い型落ちミラーレス一眼で、ニコンの中古レンズをシフト機能付マウントアダプターで使う方法【マイクロストックフォトならこれがレンズを使う方法では現実的かな】
最近ではソニーや富士のミラーレス一眼に、キポンのシフト機能内蔵レンズアダプターを介して、主にニコンの絞りつきの旧式レンズを(旧式レンズは機械式なので、いろんなカメラで使え、中古で安く、使い回しがしやすいので多用される。キヤノンやニコンの一部の最新の電子絞りのレンズを使うには高価な電子式アダプターがいる)、シフトレンズとして使うこともできます。マイクロストックフォトでアオリレンズというなら、ミラーレス一眼+キポンのあおりアダプター+古い主にニコン用の絞りリング付きレンズの組み合わせで絞って使うのが(ライカ用レンズを使えばおしゃれかもしれないね)、費用的には現実的でしょうね。仕事であっても、簡単な商品撮影くらいしかしない人なら、ソニーのフルサイズミラーレスに、ニコンの普通の一眼レフ用レンズをこのキポンアオリ機能付レンズアダプターをかませて使う人はいます(ニコンの一眼レンズをそのままフルサイズソニー一眼で使う場合、シフト量はどの方向も5ミリ位までが限界の模様。レンズによってはもっといけるものもあるでしょうけど。ティルトのほうはほぼ問題ないケースがほとんど)。
*キポンのティルトシフト両機能をつけたマウントアダプター
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/dressup/660971.html
3万以上という、ちょいと遊びで買うには高いかもしれませんが、1万五千円くらいで安価なシフト機能専用・ティルト機能専用タイプもあります。さらにキポンをまねた粗悪類似品だともっと安い場合もある(キポン以外の中華無名メーカーだと、ティルトシフトアダプターといっても、ティルト機能しかない粗悪品もあるので注意)。

【中古の大判カメラのビューカメラを転用】
あるいは、三脚絶対必要、でかくかさばるのがかまわい、75ミリ以上の望遠レンズを利用するのであれば(大判では75ミリでもフルサイズ一眼レフでは20ミリ相当の超広角レンズ)、中古だと安い大判のビューカメラの中古と、ドイツの古い世代の中古大判レンズ(もしくは日本製のコンゴーや、富士のフジノン、ニコンのニッコール大判レンズは中古で安い玉が出る場合もある。ニッコールSW65mmF4S / フジノンSW65mmF8 などね)+一眼レフアダプターなどの組み合わせでも費用的には安く代用できる。
http://www.mediajoy.com/mjc/original/view_adapter/view_adap45_eos.html
大判カメラを使うとこんな具合に、ぐねぐね動かせるので、アナログ手法だけであおり撮影するのであれば、大判カメラ+アダプターは最強ですね。ただし運搬・取り回しは最悪。
ただし、この大判レンズにあなたのカメラをつけるやり方は、望遠レンズは安く済む場合があっても、あなた方の使うフルサイズやミラーレス一眼で、広角レンズを大判アダプターでというのは逆に無駄。大判は銀塩大判フィルム用だと、スーパー超広角レンズでもドイツ製35ミリまでしかないので、それ以上の広角レンズをフルサイズや、APSの一眼やミラーレスで使うのは、大判レンズ利用では無理。そもそも大判用レンズで安く中古が買えるのは(フルサイズ換算20ミリくらいの)75ミリくらいのレンズまでで、現在販売されている最新設計のドイツ製大判レンズは一本で50万とか70万とか言う値段が平気でする、キヤノンLレンズが安物にしか見えなくなる値段しますし、大判カメラ用超超広角の38ミリとかスーパーアンギュロン38mm F5.6 XL、アポシロナーデジタル35mm4.5なんてのは全部生産が終わっていますし、中古でもいまだと一本20-40万くらいかなw(古いスーパーアンギュロン38mm F5.6 XLだとうまく行くと、B級中古10万くらいで中古ゲットできることもあるかも)。しかも大判スーパー超広角レンズの中古はほとんど出ない。

レンズアダプターや大判を利用するやりかただと、メーカーの専用レンズを使うわけではないので、レンズの自動絞り機能が働かないので、光学ファインダーより、絞りを絞ってもファインダーが暗くならない、電子ファインダーのほうが使いやすい。ミラーレス一眼のほうが向いてるでしょう。

ところで

最近は大判カメラは、広告だと、大判用のフィルムを使うより、中判デジタルバックを装着しての撮影が主体なので(中判デジタルバックより、フルサイズの一眼レフのほうが安上がり、かつ必要十分なケースなので普通のデジタル一眼レフが使われるほうが、回数としては多いし、商品撮影がいまや3dcgに置き換わった企業もあるので、現在絶対中判デジタルが必要なのは一部のジャンルです)、大判フィルム用ではなく、中判デジタルバックのための大判カメラ用だが実際は中判レンズの専用レンズローデンシュトック デジタルレンズの値段を見てみましょう
http://www.nationalphoto.co.jp/2F/items_digitalback_interface_sk_roden.htm

 HRディガロンS 23mmF5.6 1,080,000円

↑ニコンやキヤノンの純正レンズがとってもお買い得に見える値段ですよね。ニコンのPC-E 24mm 3.5D とかキヤノン:TS-E24mm F3.5L IIの20万ちょいなんて安いもんです。TS-E24mm F3.5LIIの中古なら16万くらい、やすいやすいwTS-E24mm F3.5Lの初代は修理がそろそろできないため中古なら6万くらいであるしw


デジタル加工でアシストできないアナログだけの手法しかなかったシノゴと呼ばれるフィルム式大判カメラが主役の時代の

大昔のテーブルいっぱいの料理撮影には

大型大判ビューカメラ、90ミリレンズ(いわゆるフルサイズデジタル一眼で広角24ミリレンズ相当)、大型三脚(あんたがたが見たら化け物の超大型になるだろ)といった構成で目いっぱいティルトシフトをかけ(レンズがカメラからひん曲がったようにセットされる)

1200ワットの発電機(ジェネレーターとかジェネとか呼ばれた)とモノブロックストロボ2台

撮影する料理に発色の相性のよいフィルム(光源がストロボ以外の場合、いろいろな補正フィルターを組み合わせなきゃいけない場合もあった)

ストロボを使う場合、初めての場所なら、本番の前に実際どううつるかテストがいりますが、試し撮りは昔はポラロイド式フィルムしかなかったので、そのセットの知識。

なんて超大掛かりな撮影機材をくみ上げていたそうですが、そうした機材を保持している、機材の取り扱い、短い時間でのセットアップと撤収ができる、フィルムの種類の選択など、操作撮影するカメラマンはプロである必要があったのはそれなりの理由があったわけです。この部分は、大昔は情報もなく、写真学校に通うとか、スタジオとかで修行してみよう見真似でマスターすることしかなかったので、情報の寡占化による師弟制度を通じた悪い意味での閉鎖独占業界のような体質が出来上がった時代もありました。

でもデジタル作業で置き換えられる部分が多くなり、無料情報がネットで出回る、解説本が売られる時代で、素人でも時間をかけると真似事ができやすくなり、簡素化してきたため、以前のような料理撮影や記念撮影とかいった仕事で生計を立てられる人が減ったわけです。

いまどき本格アナログ撮影がしたいからといってここまでの労力に見合うギャラ出したい客はいないでしょうね。

光学アオリレンズを主体にする場合も、やはりデジタルのレタッチ補正の助けを適当に仰いだほうがいいのです。


シフトレンズの活用 ステッチ撮影 小型カメラ・低画素カメラで無理のない高画素写真を作る。一眼レフ用のアオリレンズやアダプターだとパララックスの狂いが合成の障害として生じる場合があるけど・・・

アオリレンズ その2 ティルト機能編 弘法は筆を選ばず レンズベビーの活用 レタッチソフト機能による代用 (おまけの応用)シフト機能を応用して中判いらずの超高画質撮影

デジタルカメラのメーカーごとの色再現や肌表現 日本人の肌色は、正午の極わずかな時間以外は色温度的には本来黄色なのが本当

人間はいろんな光源の色を自分の頭脳の中で補正するので、本来は緑色の蛍光灯の部屋の中でも、自分は白い照明の下生活していると勘違いしています。しかしデジタルカメラやフィルムカメラなどの写真機は、そうした判断がいつもうまくはできないのです。というわけで写真機で蛍光灯照明を撮影したりすると、緑っぽくなることがあるのはある意味当然なのです。

デジカメで、いわゆるホワイトバランスを太陽光にした場合、今は絶滅への道を歩み始めている、色再現に忠実タイプのデーライトのフィルム(フィルムは。映画保存用など、特定用でこれからも白黒フィルムなどは残るでしょうけど)と同じように色温度が変化しますが、私たちのイメージするような標準色が出るのは、高山のような紫外線の強い場所(全体の色が青にかぶる)を除き、普通の場所だと夏でも冬でも正午の前後30分くらいです。

肌色きれいで有名なフジフィルムが出している「「富士フイルム光学フィルター」」色温度の案内を見てみましょう
http://fujifilm.jp/support/filmandcamera/download/pack/pdf/ff_filterguide_001.pdf

28ページ目には正午にとった標準的な日本女性のサンプルと、それ以降の色温度の変化具合を示しています。
夏でも、冬でも、午後一時過ぎれば、顔はまっ黄色になっていますね(赤道直下なら黄色くなり始める時間は多少遅れます)。正午でも、黄色人種だから本来は白く写らないんです。太陽の光線は、ほとんどの時間厳密には黄色いわけです。

昔はこうした色が時間によって変化して行くのを、青のフィルターで補正していたのですが、今はデジタルカメラの時代で、オートホワイトバランス(AWB)でカメラ側で補正する機能ができました。しかし、メーカーごとに、個性を出すため、もともとの色合いに若干脚色(青よりとか、赤色とか、アンバーとか)してあり、さらに時間による正午以外は若干黄色がかかってくる変化を補正する機能も、メーカーの個性で強めに補正したり、弱めに補正したりします。
このため一部のメーカー、ニコンやソニーはオートホワイトバランスという色温度自動補正モードで撮影しても、人間をとると黄色いとか緑っぽいとか最近言われることがあります。逆にキヤノン機でオートホワイトバランスで、夕焼けをとるとなんかマゼンタっぽい、どっちかというと朝焼けみたいな色合いになったりします。富士は青みが強すぎるとかね。

こうしたメーカーごとによる、色具合の違いは、人の好みや、事情によりいろんな会社のカメラを同時に使う場合ジャンルによっては厄介なので、ある程度統一させたい場合もあります。ホワイトバランス調整という機能で青側に振ったり、マゼンタや赤に振ったりしてある程度は調整できますし、レタッチソフトで簡単に修正もできます。めんどくさいからRAWでとって後から調整とか、逆にオートホワイトバランスはまったく使わず、ホワイトバランスは太陽光固定で、撮影時にこまめにホワイトバランス調整をする人もいます。

実際の話、メーカーごとの色の特色を編集するのはカラーバランスではなく、画像ソフトや色相、彩度、明るさをいじくるのが効果的なことが多いです。キヤノンの場合は、画像編集ソフトなしで、カメラ側で結構細かいことができます。ニコン・ソニーはより簡単な方法
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キヤノンのカメラ側での簡易色調整の案内
http://cweb.canon.jp/camera/picturestyle/editor/understanding.html

http://cweb.canon.jp/camera/picturestyle/editor/functions.html
特にキヤノン機の場合、カメラ側にあらかじめセットできる色相の機能が豊富ですが、
http://cweb.canon.jp/camera/picturestyle/editor/functions03.html
が一番の肝の部分です。

ユーザーが、カメラ側に設定できる細かい色情報の項目が多いのがキヤノンのほかのメーカーに対する長所。ただし細かすぎて混乱しやすいとも言える。
ニコンもユーザー側で色合いを調整したものをカメラにセットできますが、ずいぶん単純。
カメラマン側がこんがらがらないよう(キヤノンの色相補正は熟練しないとかえって難しいという話もあり)に簡素にしたともいえますが
「ピクチャーコントロールの調整と登録 色合い」
http://imaging.nikon.com/lineup/microsite/picturecontrol/jp/adjustment/hue.htm

ソニーもとっつきやすさはニコンと似てますが、ニコンより細く設定ができます。

「発色を調整する(彩度/色相/色の深さ)」

http://helpguide.sony.net/di/pp/v1/ja/contents/TP0000848001.html

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メーカーによる色の違いを調整するには、「カラー」補正や、カラーバランスじゃなくて、「色相(色層)の補正」で色や彩度明るさをいじる

キヤノンのカメラ用色相補正機能は、たいていのレタッチソフトや画像ソフトにも同じ機能たいていの場合「色相」がありますので、カメラ側で撮影して、後からそうした画像編集ソフトで一括処理するのも当然ありです(ソフトにその手順の設定を覚えこませて保存しておけば、後から同じ設定を何回もつかことができます))。こだわる人はRAWで撮影してから処理するといいでしょうが、別にJpeg画像からはできないということではないです(過去記事:RAWはアマチュアカメラマンのおもちゃ JPEG撮影はプロの証拠?)。
色相は色相、彩度、明るさとか、Hue, Hue Map、saturationなどでの表示のコマンドででてきます。

まあソフトごとに若干機能が違ったりしますが、試験じゃないんだから自分が使いやすいものが一番。フォトショップ検定とかあっても、受かっても時間の無駄なことがほとんどだし(これホリエモンのいう大学は無駄、文学部無用と同じ原理。フォトショップのやり方を一から十まで覚えるより、その機能でならもっと簡単に操作できるソフトがあったりするため)w色相いじくる以外にもいろんな色の調整法はありますが(色フィルター使ったり、画像編集ソフトで薄い色付のレイアーをかぶせたり、青みを増すために色温度が高くなる日陰や曇りの日を選ぶとか)、そういうのは別の機会があったときに。

ミラーレス一眼の利点 の記事中段にも関連記事

保護フィルター スカイライトフィルターって? デジタル時代は、1Bスカイライトフィルター緑被りの強いカメラにはいいかも?


****参考
Photoshop ヘルプ / 色相と彩度の調整
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/adjusting-hue-saturation.html

Photoshop Elements ヘルプ / カラー、彩度、および色相の補正
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop-elements/using/adjusting-color-saturation-hue-vibrance.html

Corel のpaintshopのように色ごとの色相調整バーが出てくるのは便利でしょね(下のリンクの回答の画像)強くしたい弱くしたい色のバーをいじくるだけ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1436099814

Adobeのソフトだと、フォトショップより、Lightroomのほうがあるいはやりやすいかな?
http://blogs.adobe.com/jkost/2015/05/lightroom-cc-changing-hue-saturation-and-luminance.html
https://helpx.adobe.com/jp/lightroom/help/image-tone-color.html


理想の人肌って?そもそも個人個人で人肌の好ましい色とか発色なんて異なるわけで