さて、最近はストックフォト関係のことを書かずに機材のこと書き始めています。(=カメラ人気の凋落が言われてますが、WIN7やAMD RYZEN、北斗の拳ネタがカメラ機材の数倍のアクセスがある状態のなので、カメラの売上が悪くて当然)。
一般人は600万画素あれば十分、プロでも特定の仕事以外、1200万画素でほぼ問題ない。2400万画素は心配症のあなたに最適。と最近書いて、当ブログで高画素機は無駄キャンペーンをしてるのが癪に障る人もいるようです。
4Kモニターはだいぶ安くなりました。が、各サイトやブログでは、PCの4Kモニターを使ったアクセスは、いま時点ですら一%もない、あってもスマホの小さい4Kモニターでのアクセスという報告がよく見られます。
というお粗末な状態。65型だかの4Kモニター入れてみたけど使いにくいので、フルHD(2K=200万画素)のモニター三枚に入れ替えたなど笑えない話が伝わっている状態。
更に各種ネット掲示板という、特に創立者西村博之の遺産ならず胃酸で溶かされた、とある便所の中でのたうち回りながら消化されて汚物となりかけている、スペック話だけのカメヲタ君たちは(分析すれば、どこの掲示板も7日間くらい、同じネタを持ち出してあちこち回って質問釣りが趣味の暇人が巡回するので、住民はほぼ同一という話です)、B0ポスターとかいう話を持ち出して、1200万画素とか、2400万画素の今のカメラでは画素数が足りないとか言う理屈を展開しています。
ところで、デジタルカメラ使ってる先進的な俺というあなた、プリントは未だに引き伸ばしレンズでプリントしてると勘違いしてません?フィルムですら大部分はデジタルプリントの時代。プリントだけはアナログな世界のあなた?
作品展に出すような大型プリントは、きちんとした業者に頼みますよね。そして、きちんとした業者が持ってるのは、RIP機能を持つ業務用ポストスクリプト対応の印刷機で、あなた方が持っているプリンターとは別物なんです。文字をいくら大きく拡大してもギザギザにならないのが、ポストスクリプト対応の印刷機の特徴。
確かに低画素写真を、モニターで拡大すれば、低画素機の写真はぎざぎざになるし、あなたが個人用のプリンターでわざと30万画素とかの画像をA3とかに自家プリントすれば、きちんとしたリサイズ補正ドライバー(後に解説するRIP機能)やポストスクリプト形式のプリンタードライバーが組み込まれてないソフトとポストスクリプト形式非対応の民生用クラスのプリンターだと、ぎざぎざになるよね。
しかし、一般人の使ってる10万くらいのおもちゃプリンター、もしくはもう少し上のインクジェットプリンターで底辺の印刷所併設なんちゃってプロカメラマンとは違い、高品質ラボの業務のプリンターには高性能の「画像最適化」装置RIP((Raster Image Processorポストスクリプトデータを、点(ドット)情報にラスタライズして、プリンタに送る)。メーカーによって名称が違う場合あり)が組み込まれていて(もしくはパソコン側でソフト制御)、自動的にプリントするサイズに合わせたリサンプリング、画素補完という拡大、最適補正作業を自動などで行っているんです。
「印刷前にRIP処理」
http://www.sezax.co.jp/monthly_up/vol_89.html
てなわけでNYタイムズが「高画素神話を打ち破れ」と題した記事で、600万画素400DPIのラムダプリントのほぼ全紙サイズの写真を、殆どの人が問題なく鑑賞していた、という記事はごく当たり前のことだったんです。
最近は上の記事にもあるように、専用のRIP装置ではなく、パソコンとソフトウェアでプリンターを制御する方式も用いられています。RIPは、ぶっちゃけポストスクリプト形式のプリンタードライバーなので、正確に言えば、一般ユーザーの使うパソコンの画像編集ソフトの画像サイズ変更により画素補完とは全く同じ機能ではないですが、フォトショップにある写真のサイズの拡大にもいろんな方式や、ソフトによってはサイズ変更拡大時のシャープネスのかけ方の設定まで細かくできるのがあります。RIP専用装置のように半自動で最適処理はできません、拡大の原理も違うので、慣れがいりますがが、RIP装置の一部は、真似事レベルならパソコン+個人用のプリンターでもできるわけ。
*大型プリント用業務用プリンター専用のRIP処理用ソフト(ポストスクリプト形式で印刷する業務用プリンター向け)の一例
ImageHunter RIP Software
https://www.fujifilm.eu/eu/products/photofinishing/large-format-printing/p/imagehunter-photo-editionplus/
大型業務用インクジェットに対応の「ONYX-RIP」
http://www.jetgraph.jp/products/ripsoft/onyx/onyx10.html
エプソン大型インクジェットプリンター対応のRIPソフト「ソフトウェアRIP」
http://www.epson.jp/products/largeprinter/software/rip.htm?page=outside
高画素機で高感度撮影、ノイズレダクションだなんなのといじくり回して加工しまくった画像と、RIP処理されサイズ拡大された低画素機の写真と比べたら、ほとんど差がないなんて普通にあるどころか、RIP処理された低画素機の写真のほうが見栄えが良くなるばあいもあるよ。
*参考 ニューヨークタイムズの特集
”Breaking the Myth of Megapixels”
「高画素神話を打ち破れ」
http://www.nytimes.com/2007/02/08/technology/08pogue.html?pagewanted=all&_r=0
上の実証記事では、1670万画素のCanon EOS-1Ds Mark IIで各種画素数の写真を作り、 16インチ× 24インチ(一インチ2.54センチ)=40.64センチ× 60.96センチに引き伸ばしプリントをした写真を通行人などに検証してもらう実験でした。結果は(日本で言う全紙は45.7× 56センチ)であれば、500-600万画素のカメラで実用は十分。たいていのアマチュアはそれ以上のプリントをすることはまれなので(プロでも、99パーセントの仕事はこの大きさまでのプリント)、アマチュアがトリミングをしない条件であれば、600万画素以上の画素数は普通の写真では必要ない、という結論が出ています。実際はこの倍の大きさでもなんの問題もないのは、プリンターに組み込まれた、RIP装置の出力サイズに応じた画像変換処理性能の高さによるものです。
RIP処理は業務用の高価なポストスクリプトタイプのプリンターで行うので、あなた方の持ってる民生用プリンターでは、同じことはできませんが、一部分を近づけることは画素補完(RIPのポストスクリプト出力より、かなり荒い物と考えればいい)による画像拡大をうまく調整するなどでも行えます。
実際のポスターではDPIは75DPIとか、更に落とされるのが普通ですし(あんたの見てる200万画素のHDモニターは100DPI、40インチモニターでも、文字が若干なめらかでないなんて、よほどジロジロ見ないとわかんないよね?)、壁面ポスター600万画素機で作るのは大したことではないんです。
またプリントの際のDPIとカメラの画素数は、相関性はありますが、モニターで見るより許容度が遥かに高いので、計算して必要な画素数より実際はもっと少なくても全く問題ない。
とは言え、別に高画素写真が絶対にいらないなんてこのブログでは書いてないんですけどね。自分に必要な画素数のものを使うのが正しいわけで、高画素がかっこいいという理由で買うのはバカということ。大抵の一般用のジャンルなら1200万画素で十分。少ないとか思うのは盗撮でもしてんですか?ソニーのA7Sという1200万画素機は動画用に出されていると巷で流されている話はデマです・動画の業務機でPRORES録画ができないなんて、業務用ビデオとしてはお笑いで、A7Sは写真機メインで、なんちゃってそこそこ動画がおまけでやれるカメラ。
もちろん、元の写真の画素数がもう少し多いほうが、精神的に安心。また写真の内容によっては良い場合ももちろんあるので、2400万画素あれば心配性のあなたも安心。バランス・精神的にもこの画素数が一番。
予算が馬鹿みたいにかけられる顧客の要望があれば5000万画素以上あればいいということになりますが、5000万画素あれば安心なんて注文を受けられるのはプロカメラマンでもごく一部でまれです。また高画素機はブレや小絞りボケなどで扱いも難しくなります。メーカーは高画素機に最適なレンズと言って馬鹿高いレンズを売り込みやすくなるので、宣伝しますけど。
さてそのへんよく混乱。勘違いしやすい素人客をちょろまかそうと、プリントの印刷DPIと画素数を紛らわしく説明して、できるだけ金をぼったくろうという印刷所カメラマン(まあストックフォト会社もその一味ですね(苦笑))がいるようなので要注意。まあ、自分で出力サイズに最適化するRIP処理ができない、できる印刷機材(具体的にはポストスクリプト対応レーザー印刷機などのことね)がないから、そう言ってるのかなwwwww
街の安物プリンターしかない業者だと、RIP装置がないか、あるいは手動でRIPソフト処理ができるスキルがないところは、入校時にできるだけ高画素と言いたいでしょうね。
それと安物のポストスクリプトに対応していない民生プリンターで、分割印刷のポスター印刷してる人とかもね。たしかに安物の民生機だと、画素数が少ないと、ギザギザの画像ができます。
*関連記事「RIP処理など高度な手法でプリントしてない、街のプリント屋さんで低画素の写真をプリントしたらだめなの?」
民生用の印刷機・プリンターしかない。もしくは旧型か予算、おまけにスキル的にRIP処理技術がない、できない、底辺さんは「画素数が足りない妄想」に一年中付きまとわれるわけです。まあマイクロストックフォトの顧客のような。大部分が底辺の顧客は「RIP処理って何?」と逆に聞いちゃうレベルかも知んないので、画素数宣伝は大事かもねwwww
日々の気軽なストックフォト用途に限らないフルサイズデジタル一眼カメラの適切な画素数とは
デジタルカメラ・ポスター印刷に画素数が足りない?必要画素数とは プリント用途ならフルサイズ2400万画素 APS-Cで1200万画素でいいんじゃないスカ まあ底辺カメラマン・底辺印刷所ほど無駄 に高画素機が必要ですかねw
*カメラ店とか、ピンボケ、ぶれてる写真や超低画素(100万画素とかね。画素数は少なすぎても良くない)で、できの悪い写真プリントになった場合、「画素数が少なすぎてこうなります」という説明をするところがあります。大量発注を安価にこなすためRIP処理ができる機材があっても、時間の都合で省いちゃったりしてるところは、できの悪いプリントの理由を画素数が足りないんですと説明するのが面倒ないから。
カメラ本体の画素数ばかりに目が行きがちですが、Brenizer Method, パノラマ撮影、ステッチ(=スティッチ)撮影など、画素数が少ないカメラから超高画素写真を作る技術も向上している今、画素数の熱病にとりつかれる前に自分が撮影する被写体やテーマに使いやすい画素数のカメラを選ぶのが正解かと。*こういう方式だと動いてるものはあ~とかいう、アホが出てくるんですが、高画素機はピントやブレにシビアなので動き物は高画素機になればなるほど画素数分を発揮できる撮影は多くなく、結局縮小してあらをごまかすことになるわけです。
*シフトレンズの活用 ステッチ撮影 小型カメラ・低画素カメラで無理のない高画素写真を作る。一眼レフ用のアオリレンズやアダプターだとパララックスの狂いが合成の障害として生じる場合があるけど・・・
シフトレンズ(アオリレンズもしくはアオリ機能付きアクセサリー)ではなく、普通の交換レンズとパノラマ雲台、時として手持ちでPhotoshopのPhotomergeなどのパノラマソフトだけで高画質ポートレートを分割撮影から合成する方法
中判デジタルが無用になる日 ステッチ(=スティッチ)撮影の活用