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タグ: フルサイズカメラで50mmレンズ(あるいは小型カメラでの同等レンズ)を標準レンズと神格化する必要がない点について

50mm標準レンズでは写真が撮れなかったから、28mmレンズを手に入れたときから僕の写真が始まったんだ【William Kleinウィリアム・クライン】

ストリートスナップと、広角レンズの使い方。プロのストリートフォトに28mmを最初に持ち込んだのは、アメリカのクラインといわれます

1950年代中ごろから、フランスでアシスタントとか絵の修行をしただけで、写真で実績ほぼ皆無(ただし、自分の絵をぶらして撮影した写真を、イタリアの建築雑誌Domusが表紙に1952年に採用。この時期は「表現としての写真」は、写真雑誌より、ほかの触媒で歓迎されていたwプロの写真協会では、フランスではかなり理解が広まりつつあったが、米国などでは「ブラした写真はご法度」など、超保守文化があった)、美大、写真学校の学歴とかもないにもかかわらず、ファッション誌のVogueに、専属カメラマン契約を提供された(Vogueは実力主義ですので当然ですが)

ウィリアム・クライン(William Klein, 1926年4月19日2022年9月10日

は、Vogueの撮影の傍ら、ニューヨークの街と人々の生活のストリートスナップをすることにしました

(当時のアメリカ写真界は超保守的で、19世紀のフランスのように、写真の芸術性を否定する、記録至上主義がまだ支配的でした。フランスでは、20世紀の初めごろから、多少は写真の、「創作」手段としての利用にも、プロの職業写真協会からも理解が出てきてはいたので、当時フランスで名をはせたフランスのブレッソンCartier-Bressonの写真ですが、

当時のアメリカでは、「女性」ファッション誌のHarpers Bazaarが扱うくらいで、いわゆる「写真雑誌」は、技術的に完璧なことが優先され、年配の老夫人のポートレート、漁港、夕焼けなどの、お決まりのパターンかつ、つまらないテーマの写真ばかりがあふれていた。アメリカで、写真に、芸術性や創作性を与えようとか考えたのは、カメラ雑誌や、写真家業界ではなく、女性ファッション業界だったのが、1950年代のアメリカの現実)、

てなわけで、クラインは、アメリカでは1950年代になってもまだ、表現として異端視されていた、ストリートスナップ写真撮影をニューヨークの街で行うことにしたわけですが

街に出て、その場の出来事を一瞬で撮影するには、Vogue用の撮影を行うためにそろえた中判ローライフレックスのカメラはデカすぎるので、

現在でいう、フルサイズ相当の小型カメラを、フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソンから中古で譲ってもらいました

さて、レンズもそろえたのですが、

50mmと135mmレンズを手に入れたものの、

全然使いこなせなかったw

彼はカメラを譲ってくれた(クラインが買い取った)ブレッソンには敬意を持っていたものの、彼が当時よくしゃべっていた、50mmレンズでほぼすべてを撮るという話には、全く耳を貸しませんでした

日本の三流教育とか、ライター、ばカメラマンたちは、写真は50mmにはじまり50mmに終わるとかいう、オカルト宗教を神聖化しているところが現在も多いですが

クラインは、カメラ屋に出かけ、当時はまだ出始めで珍しいレンズであった28mm【ライカ判=フルサイズ】広角レンズを試すと、一瞬ですべてが映り込む広角レンズに驚喜し

これが彼にとっての写真の始まりだったと以下のように述べています

「私が写真を始めたとき、50mmと135mmの2つのレンズしか持っていませんでした。50mmと望遠レンズは、写真に入れるものが足りず、人をいれるのにも足りずてもモヤモヤしていました。それでカメラ屋に行って、28mmのレンズを勧めてきました。すぐに外に出て写真を撮り始め、シャープさを保ちながら、フレームに必要なものをすべて納めていて、物や人に好きなだけ近づけることができました。28mmレンズを使ってからが私の写真の始まりです。」(『Lomo’Instant Wide William Klein Edition:William Kleinにインタビュー』2020-12-15Lomography https://www.lomography.jp/magazine/345430-the-creative-philosophy-behind-the-lomo-instant-wide-william-klein-editionより引用)

その後の彼は、21ミリ超広角レンズにまで手を伸ばしますが、大体はフルサイズでの28mmに、ストリート写真では、こだわり続けました

ブレッソンが若いころは、後からトリミングするような画質はライカ判の小型カメラでは、あまり推奨されることではなかったのですが、面白い出来ごとの、瞬間の撮影で構図が揃えられない場合など、必要なときは、ブレッソンもトリミングしていました

クラインの時代になると、少なくとも白黒フィルムはある程度トリミングができるくらいの画質に向上していたので、

クラインは、フレーミングの時間などかかっていては、町の面白い瞬間は撮影できない、ノーファインダーの28mm広角レンズで、周囲ごと写し取って、後から必要な部分をトリミングで取り出す、

という手法は、ほんの一瞬の出来事をとらえるストリートスナップでは必須であり、28mmレンズが手放せなくなったというわけです


ストリート写真で名をはせた、クラインは、Vogueのファッション写真撮影係として採用され、ファッション写真を撮ることで経済的に安定したので(最初のニューヨークの本は、Vogueが資金援助した)、ストリートスナップが撮れた事情があります

*****(後年、クラインはファッション誌の撮影用に、中判カメラのペンタックス67=ばけペンのシステムを導入しています)また、ファッション誌のVogue用の撮影では、都会の車の渋滞に女の子を紛れ込ませて望遠レンズで撮影するという、当時としては奇抜な企画も立て、成功をおさめます

クラインの回想(以下Small 2013から引用)

KLEIN: …I didn’t think that the fashion photographers were that good, except for Penn and Avedon, but they had their technique. I realized I had no technique. But Liberman said, “Look, we’re a fashion magazine, and we’re financing your funky photographs of New York. And what I had in the back of my mind is that one day, you’d be able to take fashion photographs which would be offbeat, and we could use. So why don’t you try to take some fashion photographs?”ペンとアヴェドンを除いて、ファッションフォトグラファーはそれほど上手だとは思わなかったが、彼らは技術を持っていた。 自分には技術がないことに気づきました。 しかし、【Vogueのアートディレクター】リバーマンはこう言った。「ほら、私たちはファッション雑誌で、ニューヨークのファンキーな写真に資金を提供しているのです。 そして、私が心の片隅で考えていたのは、いつかあなたが風変わりなファッション写真を撮影できるようになり、それを私たちが使用できるようになるということです。 じゃあ、ファッション写真を撮ってみないかい?」

So, I thought, how could I do that? [laughs] Then I had the idea of doing fashion photographs with a telephoto lens with the girls mixed up in traffic and cars. So, I did that, and Liberman said, “These are cool. Why don’t you do the collections?” Now, the collections were a big deal, you know?それで、どうすればそれができるだろうかと考えました。 (笑) そこで、渋滞や車に紛れた女の子たちを、望遠レンズでファッション写真に撮ってみようと思いつきました。 それで、私がやってみたところ、リバーマンはこう言いました。 コレクションをしませんか?」 さて、コレクションは大したものでした。

とクラインをVogueが抜擢したのは、技術はなくとも、発想が奇抜なクラインが、新しいファッション写真を切り開くことを期待してのことであったとわかります

A Lens on William Klein

By Rachel Small

March 1, 2013

https://www.interviewmagazine.com/art/william-klein


都会の人々のストリートスナップ写真では、ボケ、アレ、ブレを多用した彼ですが、Vogueでのファッション写真では、ピントはきっちり、ブレはなく、しかし奇抜なアイディアに富む写真を企画していました

1958年Vogueで出版された、クラインのモロッコでのモデルポートレート(クラインが生前にインスタグラムでシェア公開していたもの)

鏡を使ったアイディア、

上は、クラインが生きているうちに、インスタグラムでシェア設定したものを、当ブログが、インスタグラムからの、インライン表示(埋め込み表示)しているものです


日本では、芸術としての写真を追求する人は、プロではなく、アマチュア写真家だとする風潮が1980年代ごろまであった:日本のブレ、アレ、ボケ表現の初期

ウィリアム・クラインWilliam Klein、1950年代、写真は絵画ではできない表現手法ができるのが面白かったと、19世紀末期の写真は芸術たりえないとしたエマーソンとは逆の見解を示した

28mm[フルサイズ]を「標準」レンズとしたストリート写真家、アメリカのウィリアム・クライン(William Klein)【広角ポートレート28mmの特性】

フランスのストリート写真家カルティエ・ブレッソンHenri Cartier-Bresson(1908-2004)と、50mm標準レンズ:ストリートスナップ撮影とレンズ選び

有名写真家の格言を読むときは注意:撮影時の構図構成の重要性を諭したカルティエ=ブレッソンも、ストリートフォトではトリミングを多用した

購入直後の簡単なレビュー、ソニーEマウントSigma 65mm F2 DG DN | Contemporary:3D疑似人物撮影(レンダリング)ソフトのDaz Studioが採用する標準レンズ(シュミレーション)と同じ画角のレンズ

高級感あふれるシグマの意欲作

ソニー純正のSony FE 55mm 1.8 ZAと、Sigma 45mm 2.8とぐるぐる回った挙げ句、

結局シグマ 65mm F2 DG DN | Contemporaryがおいでなさいました

まあ、ニコンFマウントレンズを今年から大処分にかけて、シグマレンズが一本もなくなったので、シグマのレンズも持っておきたいという、変な発想もありましたが、

フルサイズの65mmという、写真の世界では一風変わった焦点距離も、

3Dの疑似立体世界の疑似人物撮影(レンダリング)ソフトの、Daz Studioが標準レンズに採用しているのは65mm レンズシュミレーションであることから、

人物絡みで、歪みにくさで、フルサイズカメラでは、使いやすいのは実は65mmというのが伺われ、

自分がDaz Studioで実際65mmを標準として使っていて、特に違和感がないのが現実ではないかと気が付き、

一気にシグマとなりました。一昔前と違い、交換レンズの相場がミラーレスレンズではひょいと上がったので、昔みたいに、レンズこれ、とりあえず面白そうとか、言って買うことはなくなりましたね。

人間の視野は、60-40度くらいの範囲に関心があるのが普通で、興味を持ったものを見るときの視野角ももっと狭まる。このレンズは画角36.8度と、人間が興味を持って見る画角に近いので、光景の面白い部分を何気なく切り取るにはちょうどいいくらいの画角になるので、それほど違和感なく使えるのが現実。28-70mm 24-70mmのズームを愛用している人には、65mmは特に不自然とは思わないででしょう*よく言われるフルサイズでの50mm標準は、画角的には47度前後なので実際には中途半端な画角

最近はF2.8の大口径ズームレンズが増えたので、絞りが1段明るいF2でしかないこのレンズの意義があるのかという話になりますが、このレンズは口径食によるレモンボケが開放からかなり少ない方で、F2.8で、細かいこと言わないとほぼ収まる=円に近くなるということなので、F2.8ズームレンズの口径食レモンボケが収まるのはたいていF5.6なので、口径食レモンボケ的に、このレンズを買う意義はあると判断したのが、このレンズ購入理由

シグマのレンズで、このクラスの焦点域で、新品7800~88000円前後なので、安いレンズではない。

全金属製で、ずっしりとして高級感もある

シグマはミラーレスレンズに主力を移してから、ライカのLマウント規格に正式加盟したので、ライカブランドとマッチするよう、高級仕上げを意識していて、完全に路線変更したわけですが

このレンズもフードまで金属製という、ご丁寧さ ただ、このフード金属製で55gもするので、当方は、このメタルフードは箱にしまい、ゴムフードを使う予定です

ライカに合うデザインと質感ということから全金属、フードも金属としたのだろうが、重量的には、65mmレンズなのにややずっしりした感じ。ソニーEマウントは実用カメラなので、ソニーEマウント用はプラを増やしてフードもプラ製で軽くしてもらいたかったのが本音

ピントリングも、絞りリングも、一昔前のシグマレンズとは段違いに操作性がいい ライカとの協業することになり、この辺にもコストを掛けたということです

一眼レフのAF機能が搭載されてから、一旦は多くのメーカーでなくなった、レンズ側絞りリングが、ミラーレスカメラになって最近各社で復活してきましたが、あればあったで便利ですよね。電子絞りですけど。必須ではないですが。ただし絞りリングにロック機能がないのは~

前玉の口径は、下でみるように、結構小さいので、62-52mmステップダウンリングで52mmフィルターつけてもあるいは蹴られないかもしれませんが、今ステップダウンリングの丁度いいのがなく、後日に検証予定

レンズキャップは通常のプラ製と、磁石式のマグネットレンズキャップがありますが、マグネットキャップはフィルターを付けると使用できないという、やや存在が??の代物で、廃止して値段下げたほうが…

高級感が優先で、ややその質感維持のために高価になったのは、実用優先の人には、やや、そこまで質感あげんでも、と思うかもしれません、私もそうです 

TamronのEマウント用35mm F2.8(タムロン 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model:F053))の、徹底した安っぽさ路線も、あれですがw

ですがズームレンズ全盛の時代にあえて単焦点レンズを買わせるには、高級感とかが大事とシグマが判断したんでしょうね

口径食が少ないのがとりあえずの好印象、そのうち実写レビューも公開するかも?

*ソニーEマウント用をライカLマウント用にする改造サービスをシグマはこのレンズで提供。逆も可能

Sigmaによる、このレンズを含めたIシリーズのコンセプトは、

I series Explore more. | 株式会社シグマ グローバルサイト

https://www.sigma-global.com/jp/special/i-series/

「SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary」フォトヨドバシ

http://photo.yodobashi.com/sony/lens/65_f2dgdncontemporary/

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画像の利用条件は、日本政府への寄付金一億円(画像一枚ごと、一回に付きです)とし、使用にあたっては寄付を証明する書類などの画像を同時に表示してください、画像使用にまつわる寄付の証明を同時に提示しないでの、勝手な利用は全て不正利用とみなし、

日本政府を当ブログの代理人とし、その不正利用者から、当ブログとの連絡なしに、使用にかかわる寄付金を徴収する権利を、認めます。

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モデルフィギュア

CREATOR×CREATOR ルパン三世 ノーマルカラー

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フルサイズカメラには珍しい焦点距離のシグマ65mm F2 DG DN | Contemporary 人物撮影での標準レンズ的に使うといいかも?【各国のレビュー】

フルサイズカメラでの標準レンズは50ミリの神話を検証(APS-Cサイズカメラでは33mm相当)【交換レンズ、標準レンズの基礎知識と学習】

一眼レフカメラでは長く、標準レンズはフルサイズでは50mmということがカルト宗教のように言われてきましたが、一眼レフの最盛期末期と、ミラーレス時代にはフルサイズでの40mm, 45mmのレンズが標準レンズとして登場してきました。

人間の視覚は、片目でおおよそ110~140度、両目では200度の角度の広大な範囲を見ています

ただしその中でシャープに見えるのは、両目が揃ってみている範囲の40~60度くらいの画角(理由は人間の脳は必要ないところのエリアを脳で細かく再現しないから=脳の能力がパンクしないようセーブするため)

そうなると、人間の見ている画角に近いのは、フルサイズカメラでは35mmということになります(APS-Cサイズのカメラなら24mm)

まあ、人間が本当に脳内で細かく再現している範囲はもっと狭く、実際は2度(1100mmレンズ相当)という人もいるのですが、そこまでいかなくても人間が細かくい認識しようとしている60度より、もっと狭い範囲しか実際は注視していないわけです

ですが、まあ人間は60度くらいの画角に関心が集まるように脳で処理するのは確かなので、その計算で行くと、

フルサイズ35mmレンズ(APS-Cでは24mm)の対角画角は63度

フルサイズ50mmレンズ(APS-Cでは33mm)の対角画角は46.7度

となり、人間が認識している画角の40~60度の範囲では、35mmはやや広く、50mmではやや狭めの画角となるのがわかります。また、人間は目のレンズの歪みを脳で補正して認識しますが、カメラはレンズの歪みを補正しないので、フルサイズでの35mmレンズでは、よく使う被写体との撮影距離では被写体が人間の目で見るより歪んで見えたりし(遠くのものが小さく見える)、

そのため、歪みが人間の脳内に近く表現されやすいのは、フルサイズでは35mm以上の望遠レンズとなり、

40-60どの真ん中くらいの画角の50度くらいの画角と、そのレンズを使う一般的な被写体との距離で、歪みのなさを実現するのは、フルサイズカメラでは43mm(51度)

Our central angle of view — around 40-60° — is what most impacts our perception. Subjectively, this would correspond with the angle over which you could recall objects without moving your eyes. Incidentally, this is close to a 50 mm “normal” focal length lens on a full frame camera (43 mm to be precise), or a 27 mm focal length on a camera with a 1.6X crop factor. Although this doesn’t reproduce the full angle of view at which we see, it does correspond well with what we perceive as having the best trade-off between different types of distortion:(下記Cambridge in Colour記事より)私たちの【視野の】中心画角 (約 40 ~ 60°) が、私たちの知覚に最も影響を与えます。 主観的には、これは、目を動かさずにオブジェクトを思い出すことができる角度に対応します。 ちなみに、これはフルフレームカメラの「通常の」焦点距離 50 mm (正確には 43 mm)、または 1.6X クロップファクターのカメラの焦点距離 27 mm に近いです。 これは、私たちが見ている画角全体を再現するものではありませんが、さまざまなタイプの歪みの間で最良のトレードオフがあると私たちが認識しているものとよく一致しています。

と、実際の人間の見る目に近い状況を、画角的にも、歪みの少なさでも、生み出すのはフルサイズでは43mm(APS-Cでは27mm)レンズということになります

実際は、50mmレンズの画角は、普通のモデルなどとの撮影距離では、被写体が人間の目に近く、歪みがなくなりますが、普段見ている光景を何気なく切り取るにはやや狭いというか、中途半端な画角だということです

フルサイズでの50mmレンズは、人間がある程度ものを注意深く見るときの画角に近いので、何も考えないで撮影に行くときは、実に使いづらい画角というのがわかるわけです。また関心を持って見るときの人間の見る範囲は40度位となるので、50mmレンズだと画角が広すぎ、60ミリくらいのレンズが最適ともいえます。

というわけで、フルサイズでの50mmレンズ(APS-Cでは33mm)が人間の見る画角に近いという説明は、ニセ科学で、実際はよく使う撮影距離で、「遠近感的」に、人間の見る世界と近い状況を再現し、歪みが少ないことがフルサイズでは多いから、フルサイズでは50mmが標準レンズと呼ばれているのが正解です。

ただし写真用レンズは、撮影距離が近くなると、50mmレンズでも歪みで遠近感的に人間が見る世界とは異なってくるので、そうなると、もっと望遠レンズを使って、遠近歪みを人間の目に近くしないと、人間の目には違和感が出る世界となる。

まあ、フルサイズでの43mmや50mmでも、撮影距離が近くなると、歪みが出る=人間の脳のように歪み補正を、カメラがしないため、マクロ撮影などの接写ではもっと望遠のレンズを使ったほうが、人間の目で見るのに近い歪みのない画像が出るわけです

標準レンズ50mmのニセ科学とフランスの写真家ブレッソン

フランスの写真家ブレッソンは、ボツ原稿となり長くお蔵入り入りしていたインタビュー記録で、実際は35mmレンズが大好き(人間が何気なくものを見るときの画角に近い)なんだが、歪みが前景で出るので、それが僕が歪みの少ない50mmを使う理由さ、と話していた記録を以前紹介しましたが、ブレッソンが50mmを愛用していたのは、前後の歪み(圧縮効果)や周辺の歪み的に、人間が見る世界と近いのが理由だったんです。ブレッソンは、画家の勉強のアルバイトでニュース写真を撮り始めたのが写真家としての始まりでしたが、絵の複製写真をとりたいこともあって、歪まない50mmのほうが、35mmよりありがたいせいもあったのです

CAMERAS vs. THE HUMAN EYE

Cambridge in Colour

https://www.cambridgeincolour.com/tutorials/cameras-vs-human-eye.htm


ポートレート撮影と、適切な撮影距離 (Appropriate or Good Distance with your Photographic human model)【人物写真撮影の基本テクニック知識】

生涯ほとんど(フルサイズ=ライカ判)では50ミリしか使わなかったHenri Cartier-Bresson(アンリ・カルティエ=ブレッソン)は、準広角レンズの35mmも実は大好きだった

標準レンズ=フルサイズで50mmの都市伝説:人間の視野角に画角が近いのは本当か?【間違いだらけのカメラ知識:数々の偽科学】

標準レンズとは?自分のジャンルや仕事で使いやすい焦点距離が標準レンズ

フランスの写真家、フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson 1908年8月22日 – 2004年8月3日 英語読みだとヘンリだが、日本だとカナ表記はアンリとされてるんで)は、報道のイベントや事件撮影などで、50mmレンズ一本で勝負していた人でした。

街の中の人々の面白い出来事の撮影しかしないと決めて、しかも被写体に近寄って撮影と決めているいるわけですから、別にそれ以外のレンズがなければ困るというものでもなかったからです。

当時はライカのカメラでは、50mmレンズが一番安くて小型軽量なので、一日中歩きまわるブレッソンには最適だったわけです。またフルサイズと呼ばれるサイズのカメラでは、開放値の小さい、明るいレンズが、50mmが安価に製造できたので、まず最初の一本に、最適だったこともあります。

ブレッソンの時代は、まだカメラもレンズも高価過ぎて、後に有名になるのが45歳過ぎと遅咲きのブレッソンでした。このため、下積みの長かった彼には、他のレンズが買えないので、なんとか買える50ミリレンズ一本で勝負せざるを負えない時代であったこともあります。

同じような撮影スタイルで有名だったのは、時代は異なりますが、アメリカのビル・カニンガム(Bill Cunningham 1929-2016)さんです。

カニンガムさんの時代になると、ブレッソンの時代とは異なり、駆け出しでも中古とかで2~3本レンズを買うことができるようになってきました。

ブレッソンの時代とは異なり交換レンズの値段は安くなっても、カニンガムさんの撮影は、大部分準標準レンズと呼ばれる35mm相当のレンズ一本で行っていました。取材とかの仕事も単焦点レンズ一本での撮影がほとんど。最後までズームは使わなかった。

彼がよく使っていたのは、
フルサイズなら35mm
小型のAPS-Cサイズのカメラだと、24mm単焦点(フルサイズで換算35mm)を愛用していました。

カニンガムさんの場合、時間が取れれば50mm(相当の)レンズも使ったようですが、仕事でシャッターチャンスが最優先の場合はフルサイズなら、大部分35mmか、サイズの異なるカメラだとそれに相当するレンズを使っていました。

てなわけで50mm(フルサイズでの)が、標準レンズなんてのはどうでもいいわけです。遠近があまり誇張されず、人間の見たものに近い画角は、だいたいフルサイズでの40~60mmですので、このあたりが、標準レンズと考えて一向に差し支えないし、人によって若干好みが違うのだから、標準レンズは50mmを使わなきゃいけないということもないわけです。

50ミリレンズの画角は、「街の人々の生活風景の記録を切り取り」残すのには、ちょうどよかったりしますが、ぶらり散歩しながら「建物を含めた街の風景を切り取る」にはちょい不足なので使いにくい。人々ではなく、町が主役の撮影なら、28mmから40mmくらいの間のほうが風景スナップには適している。

ブレッソンもカニンガムも、彼らは報道写真家でした。このため、シャッターチャンスが優先なので、一日中あるきまわって撮影できる機材が優先だったわけであり、軽い単焦点レンズにこだわりました。ニュースになる現場がないかと、街中自転車に乗りながら、首にカメラをぶら下げて撮影しているカニンガムさんが下の動画で見れますが、できるだけ軽い、小型なのが一番なわけだったんです。

50mm標準レンズの画角や、遠近感ともに中庸なレンズは、逆に特徴がなく、「取材の道具」ではなく、写真表現の手段としての撮影の道具としては、苦手とする人も多いので、逆に言うと、勉強のための標準の苦行用レンズと考えれば有りです。不自由なレンズで工夫してみることで覚えられることもありますから。ただし、絶対必要とは言い切れません。

一般の旅やお出かけの記録中心のファミリー写真用途では、50mm(APS-Cでは35mmなど)は、使いにくいレンズです。

カニンガムさんの晩年の取材撮影などの回顧ビデオ 晩年も自転車に乗って精力的に取材撮影

カニンガムさんの愛機は、ニコンD3100D5200で、晩年の愛用レンズは

AI AF Nikkor 24mm f/2.8D
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_nikkor_24mm_f28d/

AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/af-s_dx_nikkor_35mm_f18g/

フィルム用フルサイズカメラで絶賛していたレンズは、
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 35mm f/2D
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_nikkor_35mm_f2d/

こちらはブレッソンの写真紹介ビデオ


報道旅行カメラマンの必須アイテムだった。Ai AF Nikkor 24mm f/2.8DとNikon Ai Nikkor 24mm f/2.8S

「写真は50mmに始まり50mmに終わる」「写真は標準に始まり標準に終わる」という都市伝説デマ:実際はフルサイズで40-60mm(他のサイズのカメラなら換算でそれ)くらいの間なら全部標準レンズ

デジタルカメラ:防塵防滴性能は今や必須の機能ですか?

生涯ほとんど(フルサイズ=ライカ判)では50ミリしか使わなかったHenri Cartier-Bresson(アンリ・カルティエ=ブレッソン)は、準広角レンズの35mmも実は大好きだった