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タグ: アオリレンズ

バックティルトとはなんぞや?アオリ撮影

一眼レフやミラーレスカメラのアオリレンズは機能限定版なので、大判や、中判のビューカメラでは普通の

バックティルト機能はないです

ところで、バックティルトとはなんぞや

という話は、

アオリ撮影の魅力 Vol.02

2024.01.28 txt・写真:すほい 構成:編集部

https://jp.pronews.com/column/202401281653450865.html

の記事にあるよう、フロントティルトのように、ピントの合う角度を傾けるのではなく、パース=遠近感の歪み補正のために用います

まあ、ミラーレスカメラでも、蛇腹アオリ機能のあるビュータイプの大判カメラや中判カメラにアダプターボードでつなぐ、

以外に以下のように

電子式ではなく機械の一眼レフ用のアオリレンズ(あるいは三脚座付きの一眼レフや中判レンズ)に、サードパーティー製の三脚座をつけ、さらにティルト機能を持つマウントアダプターで繋げれば、

バックティルトは可能になります

アオリレンズのシフト機能を使ったパノラマ撮影で、フルサイズカメラをなんちゃってデジタル中判カメラとして使う【ステッチ(スティッチ)分割撮影でのパノラマ合成】

アドビ製品は、使い方があふれているので、当記事は、ひねくれてまだ日本ではいまいち認知のない、Affinity Photoでのパノラマ合成機能の解説で行いました。

ステッチ(スティッチ Stitch)撮影とは、アオリレンズなどを使って広い光景を分割撮影し、後からPhotoshopなどのパノラマ合成機能で合成して、一枚の写真に仕上げるテクニックのことです

デジタルカメラの画素数がまだ少な過ぎの時代には、高画素の写真データーを得るためによく使われていた手法です

現在でも、フルサイズカメラで、なんちゃってデジタル中判カメラを代用させるテクニックとしてこのステッチ(スティッチ)撮影は役に立つことがあります

大体10mmのシフトが上下にできるアオリレンズがあれば、シフトを上下もしくは左右にかけ、三枚分割撮影した写真を

Adobeのフォトショップや、Affinity Photoあるいは専用のパノラマソフトで合成すると、

フルサイズカメラのセンサーは36*24mmですが、44mm*36mm、あるいは56mm*24mmの画素センサーのある中判デジタルカメラ相当の画像を、得ることができる、

なんちゃって中判デジタルカメラとしての活用が可能となります

本来のカメラのイメージセンサーより、大きなイメージサークルを持つアオリレンズや、中判や大判カメラのレンズをアオリアダプター(またはビューカメラ経由)経由でフルサイズなどのカメラに装着し

レンズ側を三脚座で固定し、カメラ側を動かすことで、撮影時の光軸のズレを抑え、簡単に合成ができるようになります(まあ、レンズとカメラを逆に動かして光軸ズレを抑える方法もありますが、撮影時の手間が増える)

補足:遠距離での撮影だと、ある程度光軸のズレによるパララックスを、パノラマ合成ソフトが、自動で修正してくれるので、レンズ側専用三脚座は、なくても大部分のケースで使えたりします

このため一眼レフ用などのアオリレンズに取り付けれる、三脚座があると、フルサイズなどの一般的なカメラで、レンズのシフト機能を使い、分割して撮影し、あとから一枚の画像に合成するのに便利なわけで、

最近は中国のIshootが、キヤノンやニコン、SAMYANGのアオリレンズに付けられる三脚座を販売していることは、

ニコンの一眼レフ用アオリレンズ用の光軸ズレを防げる三脚座のレビュー【ステッチ(スティッチ)パノラマ撮影用三脚座】

で紹介しましたが、実際に実験してみましょう

まずは、レンズ側に三脚座を取り付けたアオリレンズを、上にシフト、ノーマル位置、下にシフト(三脚座がつかない場合、カメラ側をレンズのシフト方向と反対側に同じ量、動かして、パララックス補正をする)をした位置で、それぞれ写真を撮影、

この場合は三枚撮影(この実験は、PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D に改造ニコンTC-14EIIと、マウントアダプター経由で、ソニーの1.4倍テレコンSEL14TCのダブルテレコンでの撮影(メーカー推奨でもなく、動作保証もない組み合わせなのは、一応書いておきます))

PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D(+Nikon TC-14EI +Sony SEL14TC) Top + 10mm Shift Middle Normal (0mm Shit) Botton -10mm Shift

パノラマ合成にはいろんなソフトがありますが、今回はAffinity Photoで、

ファイル→新規パノラマ

すると以下の窓が開くので、

左下の、「追加」の位置をマウスで左クリック

パノラマ合成したい写真を選び、

画像選んだら、右下の「開く」をマウスで左クリック

すると、

真ん中下の、「パノラマのスティッチ」をマウスで左クリック

するとこうなるので、

右下の「OK」をマウスクリック

すると、以下の画像が出て、

画像がうまくつなぎ合わされておらず、ずれている場合は、

Aの部分の、「ソース画像を変形ツール」をクリック

すると、合成に使われた3枚の写真それぞれをマウスで選べるようになるので、

動かしたり変形させたりしてうまく合成できるようにします

合成ズレから少し余白が出ているので、あとからではなくこの場でズレ部分カットしたければ

1の切り抜きツールのアイコンを、マウスで左クリック

すると以下のようにグリッド線が表示されるモードになるので、

画面右上の「」

「不透明部で切り抜き」をマウスで左クリック

すると、いらない部分を自動的に判断してくれますので、

この合成で良ければ、

左上の青い部分の「適用」をマウスで左クリック、やり直す場合は、キャンセルを左クリック

完成した画像のサイズデーターは、

合成された写真は、短辺 5922ピクセル 長辺 9555ピクセルの、5658.4万画素の、なんちゃって5千万画素デジタル中判カメラでの、撮影画像シュミレーションとなるわけです

まあ、この写真は、めんどくさいので中型三脚のへロイ雲台でやりましたが、軽いし剛性がないため、ステッチ作業で微妙に位置がずれるので、シビアにやりたければできるだけ大きな三脚と雲台で、分割撮影時の位置ずれが生じ無いようにすることが大事です

自動でも大部分うまくいく模様ですが、

うまくいかない場合

1:他のパノラマ合成ソフトを試すw

2:この記事でも一部説明していますが、Affinity Photo内で、合成エラーを手動で修正する

以下の記事に説明

「パノラマの編集」Affinity

https://affinity.help/photo/ja.lproj/index.html?page=pages/Panorama/panorama_editing.html?title=%E3%83%91%E3%83%8E%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%81%AE%E7%B7%A8%E9%9B%86

ピント合成(深度合成)のときとはことなり、倍率色収差の補正は、パノラマ合成(ステッチング合成)の前に行ったほうがいいような印象があります(正確に統計データーは取っていない主観ですが)パープルフリンジ・グリーンフリンジなど軸上色収差絡みが大きな原因の収差に関しては、合成後に行っても、特に不都合はない模様

*専用のアオリレンズの必要性

APS-Cのカメラなら、フルサイズ用の機械式絞りリングがあるタイプのレンズがアオリアダプター+手動でのパララックス補正(遠距離の場合は必ずしもいらない)で使うこともできます。ただし、機械式絞りリングのあるレンズは性能の低いものが多いので、実際テストして満足行くかどうか試す必要があります

フルサイズ用の古めのレンズでも、近距離で画角が狭くなるフォーカスブリージング(Focus Breathing)が大きめのレンズだと、接写とか近距離だと10ミリシフトでそこそこの画質で撮影できることがあります。専用のシフトアオリレンズでも、古いものは性能が高くなかったりするので、画像ソフトで色収差補正などをかけて編集する場合、仕上がりは大差がない場合もあります(フォーカスブリージングは、近距離になると逆に画角が広くなるレンズもあるので注意)


Canon TS-E レンズ用Stitch(panorama スティッチ ステッチ)撮影用三脚座TSE Frame Mk3

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画像の利用条件は、日本政府への寄付金一億円(画像一枚ごと、一回に付きです)とし、使用にあたっては寄付を証明する書類などの画像を同時に表示してください、画像使用にまつわる寄付の証明を同時に提示しないでの、勝手な利用は全て不正利用とみなし、

日本政府を当ブログの代理人とし、その不正利用者から、当ブログとの連絡なしに、使用にかかわる寄付金を徴収する権利を、認めます。

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モデルフィギュア

桜島麻衣 1/4 バニーバージョン

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富士の中判デジタルカメラGFX 50Rに、Samyang 24mm F3.5 ED AS UMC ティルトシフトレンズ/Rokinon T-S 24mm F3.5 ED AS UMCを改造装着した話題

Samyang TILT/SHIFT LENS 24mm F3.5 ED AS UMC

https://www.samyanglens.com/jp/product/product-view.php?seq=268

機械式のピントリングと、絞りリングを持ち、原始的なマウントアダプターで各社ミラーレスカメラで使える、SAMYANG製の、超広角アオリレンズです。

このレンズのレンズマウント部を改造し、フジフィルムの中判デジタルカメラGFX 50Rに装着した例が以下の掲示板にあります

Samyang 24mm f/3.5 Tilt-Shift Lens on GFX: a deep dive

Started May 25, 2021 | Discussions

Digital Photography Review

https://www.dpreview.com/forums/thread/4577550

このレンズは、開放絞りが甘いとされるレビューも多かったが、コントラストが低いのが原因なので、コントラストをあげてやると、かなり使える

富士フィルムの中判デジタルカメラGFX 50Rで使う場合、中心部はF5.6でピーク、F8では回折現象(小絞りボケ)が出るが、周辺ふくめた全体としての画質はF8でピークになる

このレンズを、フジの中判デジタルで使う場合、アオリは10mmちょい使えるイメージサークルの余裕があるとされています

https://www.dpreview.com/forums/thread/4577550#forum-post-65173624

マウント改造の解説写真見ると、かなり薄っぺらいプラで作られて、落下とかあったら壊れるだろうなとw

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アオリレンズは、測光センサーが画素センサーとは別にある、一眼レフカメラだと、シフトやティルトの量によって露出補正がいるとされていましたが、

画素センサーで直接測光するミラーレスカメラでは、アオリ量による露出の補正は、さほどシビアに考えなくて良いようです(厳密に検証していないので、個人の感想ですが)

ニコンの一眼レフ用アオリレンズ用の光軸ズレを防げる三脚座のレビュー【ステッチ(スティッチ)パノラマ撮影用三脚座】

ニコンが2008年頃に生産終了した、

PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D

は原始的な機械連動絞りで、電子マウントアダプターを使わずも、単純なマウントアダプターで利用できるため、現在各社のミラーレスカメラで活躍させています。

シフトとティルトが、直交=同軸稼働式でないことも、ミラーレスカメラでは、もう一個ティルトシフト機能付きマウントアダプターをつければ、直交にも並行にもできることで、解決することなので、特に気にははならない

ただ、一眼レフ用やミラーレスカメラ用のこの種のアオリ機能のあるレンズは、レンズ側に三脚座がないため、シフトやティルトをすると、レンズが動き、光軸がずれる構造になっています。要は大判カメラ=ビュータイプのカメラの、じゃばらアオリ機能のような、カメラのほうが動く、バックシフトとバックティルトができない

このため、ステッチ(スティッチ)撮影などの合成パノラマ撮影では、光軸を揃え直す作業が、こうした一眼レフやミラーレスカメラ用の簡易アオリレンズでの撮影には必要な場合がありました。

その点を解決するため、レンズ側に三脚座がついていればいいのですが、ニコンもキヤノンも自社ではそういう製品を作らず、鏡胴の強度をあげないと、三脚座をつける重量などには耐えられないからかとも思いますが。

ニコンが以下の記事で述べたところによると、一眼レフのFマウント用に一番最後に製品化したPC 19mmは、三脚座をつけても耐えられる設計にしたと述べています=それ以前の製品は、三脚座装着想定の鏡胴に強度がない設計とも言えるわけで


ニコンPC NIKKOR 19mm f/4E ED

山岳写真にもおすすめ 最新ニッコールの優秀さを味わえる1本

  • 杉本利彦 デジカメウォッチ

2017年8月10日 07:00

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/1070229.html

——これはPCレンズ全般に言えることなのですが、パノラマやスティッチングを考えるとレンズを固定してボディ側が動いた方が良いので、レンズを固定する三脚座が欲しいです。ティルトアオリの部分を省略して望遠レンズのような三脚座がつくバージョンを作っていただければ、コストダウンにもなると思います。

猪原:今後の参考とさせていただきます。実はアダプターの装着などを考慮してピントリングの後方部分の鏡筒の強度を上げており、そうした使い方をされても大丈夫なようには配慮しています。(上記デジカメウォッチ記事から引用)

この記事から見ると、ニコンのそれ以前のアオリレンズには、三脚座装着想定の鏡胴の強度はないとも見えますw


キヤノンもニコンも自社の一眼レフ用のアオリレンズには三脚座を販売してきませんでしたが、

キヤノンのアオリレンズTS-Eには、以下のように、外国の他社で、三脚座が発売されていたりもして

http://www.hartblei.de/en/canon-tse-collar.htm

一方のニコン用のアオリレンズには、専用レンズ三脚座を販売する会社は現れませんでした

しかし、レーザー加工で金属加工が容易になると、中国メーカーがこうした一眼レフ用アオリレンズで光軸のズレなくシフト撮影ができるようにする三脚座を販売しだしました

すごいのは、10年以上前に生産終了となった、ニコンのPC Micro-Nikkor 85mm f/2.8Dの三脚座もきちんと販売されたことです。iShoot IS-PC85 Tripod Mount for Nikon PC Micro 85mm f/2.8D Tilt Shift Lens

iShoot IS-PC85 Tripod Mount for Nikon PC Micro 85mm f/2.8D Tilt Shift Lens

一応ポーチに入ってますが、ポーチの必然性は?

これと、もう一つティルトシフト機能の付いたマウントアダプターをつけて、ミラーレスカメラで使えば、バックティルト、バックシフトも思いのままになるので、早速装着

まあ、レーザー掘削機で自動での加工が容易になったとはいえちゃんとハマりますw

説明書も何もついていないので、取り付け方が最初わからんという人もいるでしょうが、三脚座とレンズの位置合わせ位置は、下の写真のようにTとTの文字で合わせてはめ込みます

古いレンズ用の三脚座も出したあたりはすごいけど、今から売れるかな?

この会社、SAMYANGの24mmティルトシフトレンズ用の三脚座もだしています

*注意、元のアオリレンズは、三脚座の装着想定の強度が、鏡胴にはない可能性もあるので、この三脚座は、使わないときは三脚座固定ノブを緩めて保管し、使うときもあまり重いカメラは使わないほうが、レンズ破損の心配が少なくなると思います

アオリレンズのシフト機能を使ったパノラマ撮影で、フルサイズカメラをなんちゃってデジタル中判カメラとして使う【ステッチ(スティッチ)分割撮影でのパノラマ合成】

銘匠光学 TTArtisan Tilt 50mm f/1.4 ティルトレンズ、フルサイズ対応の、廉価アオリレンズ発売:中古の一眼レフ用の50mm F1.4にアオリアダプターつけてミラーレスで使うのが費用的にはいいかも

海外では199ドルで新発売とありますが、

TTartisan 50mm f/1.4 tilt lens launches in Sony E and Leica L mounts for $199

By Rod Lawton

published 1 day ago

Digital Camera World

https://www.digitalcameraworld.com/news/ttartisan-50mm-f14-tilt-lens-launches-in-sony-e-and-leica-l-mounts

日本だと3万5千円ほどする模様

発売前からテスト個体を提供されていたらしく、英国Christopher Frostさんが早速レビューを公開

TTArtisan 50mm f/1.4 TILT lens review with samples

ソニーEマウント、4200万画素機のソニーA7RIIIでのテストチャート描写が、

動画3:25 からみれますが、開放から周辺は崩れて、新型と言うにはかなりレトロな設計、F4まで絞るとまあ全域安定するようですが これだと3万5千円という日本価格は?、2万円ならまあですが

動画4:59 ティルト機構を最大にして、F16まで絞ると、周辺に真っ黒なケラレ 中国の安価なレンズメーカーによくある、カタログ上大きなティルト角度を表記したいので、無理なティルトもできるようにしてあるので、あらが出る。ここがニコンやキヤノンとの違い

動画5:13 最短撮影距離は50センチだが、開放絞りでの描写は最悪、F2.8でしゃっきりしだし、F4でぱっちり

動画5:35 逆光性能 よくないね コマ収差はF4まで絞らないと改善しない

動画6:12 ボケ 近距離ではいいが 中距離だとやや荒っぽくなる

レンズ性能としては、僕が見た50mmレンズのワーストに入るが、ティルト機能によるボケ表現がきにいるなら・・・

F1.4と明るさを欲張らずに、F2.5くらいのレンズで開放性能をしっかりさせたほうが良かったようなレンズ

トイレンズとして買うならありですが

おすすめは、古いニコンやペンタックスの一眼レフ用の機械式絞りリングと、機械式MFリングを持った50mmレンズを

各社から売っているティルトアダプターで接続するのがおすすめ

(バシュポ) Pixco ティルトアダプタ マウントNikon レンズ-SonyソニーEマウント カメラ対応 チルト【Nikon-Sony】ティルト撮影用

https://www.google.com

https://www.bing.com/

Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8Dの口径食レモンボケに付いての情報【ニッコール懐かしレンズ】1/3段ほど絞るとほぼ解消

完全機械式のあおりレンズ=ティルトシフトレンズ、

PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/pc_micro-nikkor_85mm_f28d/

2008年に、後継の電磁絞り機構を持ったPC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8D(リンク この新型も2022年3月に生産終了)に置き換えられて、生産完了しました。

旧型ですが、完全機械式なので、各社ミラーレスカメラに電子マウントアダプターでなく、安いマウントアダプターで簡単に流用できるので、今も保有。*新型は電子絞りのため、高価な電子連動マウントアダプターがいる

唯一弱点というか難点と言われた、シフト/チルト直交型のデザインも、シフト機能付きのマウントアダプターつければ解消するので、

富士、ソニー機で大活躍。

この種のあおりができるレンズは、イメージサークルが大きく取ってあるので、口径食が少なめなので、さほど絞らなくても、周辺のレモンボケ現象が解消できます(中判用のレンズをフルサイズカメラにつけたり、フルサイズのレンズをAPS-Cサイズやマクロフォーサーズのカメラにつけても同じ理屈ができる)

以下で口径食テストをすると、一番上の開放F2.8では、レモンボケとか猫の目ボケと言われる光源ボケが丸くならない現象が、1/3段ほど絞っただけで、かなり解消するレンズだとわかります

Cat-Eye Shape Bokeh of Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D (The position is normal)The issue is almost gone at F3.2

あおりレンズと、深度合成(ピント合成) ミニチュア小物・フィギュア撮影で、ピントの合う前後の距離(被写界深度DOF)を大きく取って前後にピントのあった写真が撮りたいときには?【フィギュア撮影基本講座】

普通にレンズを絞らず、撮影すると、とくに望遠系レンズでは、以下のように顔だけピントが来る写真になるのが普通です

SMC PENTAX 67 MACRO F4 135mm F4 Nikon フルサイズカメラにアダプター装着

体がボケすぎ

お尻の方までピントを持っていきたい場合、

1:通常は絞りを絞る

という対応をしますが、

大きく絞ってもお尻までピントが来ない場合もあります 

また絞りを絞りすぎると、回折現象(小絞りボケ)が生じ、解像力が落ちでぼやけた写真ができることがあります

また、絞りを絞ると、背景のボケが小さくなり、うまく背景をぼかした写真ができにくい

こんなことから、いくつかの対応策があります

A: デジタルカメラの場合、デジタル画像なので、ピントを少しづつずらした写真を20~50枚撮影し、後からパソコンで深度合成編集作業を行う

メリットとしては、レンズ絞り開放の大きなボケを維持したまま、ピントを合わせたい物体の被写界深度を増やせる。ボケが大きな写真が作れる

下は、Adobe Photoshopでのピント合成例 顔からお尻まできっちりピントも来ているし、絞り開放の大きなボケが残りますよね。

深度合成の一例 An Example of Focus Stacking by Adobe Photoshop SMC PENTAX 67 MACRO F4 135mm F4

弱点としては、何十枚も撮影するので時間がかかる。合成ソフトごとに癖があり、なれるのにやや面倒なこともある(自動でうまくいかない場合の補正機能がないソフトもある)。

また、撮影中被写体は動いてはならず、三脚に固定しての撮影が基本となりやや面倒。三脚と雲台は、自分が持てる範囲で一番でかいものが良いのは当然。

さらに屋外だと、撮影途中に太陽に雲がかかったりして、明るさが変わったりすると、最初からやり直しとなる。

最近のピント合成ソフトは優秀ですが、失敗することもあり、もう一度撮影し直しのリスクもある。

どのソフトも一長一短ですが、お金が出せるなら、Helicon Focusは自動任せでもそこそこ優秀(今までこれ使っていなかったので、今回所有の知人に、比較のためのファイルテストをお願いしたんだが、割と優秀なので、ウクライナの会社のソフトにしてはいい値段つけてる以外は、良いソフトですね)

B: 被写界深度が深くなるサイズのカメラを使う 

小さいカメラは同じ画角を得るのに、焦点距離が短いレンズを用いるので、焦点距離が短いレンズほど被写界深度が広がる。このため、小型のカメラになればなるほど、絞りを大して絞らなくても、顔からお尻までピントが合った写真が撮影できる

フルサイズと、APS-Cでは、被写界深度的には、同じ画角になるレンズを用いた場合、2段強、APS-Cで撮影したほうが、絞りを絞らなくても良い計算になる(被写界深度ではなく、ボケの大きさという点では、同じ画角になるレンズを用いた場合、フルサイズと、APS-Cのボケの大きさは、1~1.5段くらいの違いで、APS-Cのほうがボケの大きさがやや小さくなる)

この方法は、アマチュアにはとくにおすすめ コンデジとか、スマホのカメラがこの目的にはあっている ボケが欲しい場合、スマホ内蔵のボケ加工か、後加工になるので不自然な場合がある

C:あおりレンズを用いる

あおりレンズでティルト機能のあるレンズを用い、ピントの合う角度を傾けて、顔とおしりにピントが合うように、レンズを傾けるティルト操作を行う

ただし、このあおりのティルト撮影では、ピントの合う角度をかえるだけなので、ピントの合う空間の距離=被写界深度が増えるわけではないので、以下のようになります

Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D +Nikon AI AF-S TELECONVERTER TC-14E II (本来は付きませんが改造して装着できるようになっている) 逆ティルト6度 合成120mm 絞り開放合成F3.8

Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D +Nikon AI AF-S TELECONVERTER TC-14E II F3.8 Tilt 6 桜島麻衣

上の写真を見ると、顔とおしりにはピントが来ていますが、手にはピントが来ていないのがわかりますね。

アオリレンズのティルト機能でレンズを傾け、ピントの合う角度を変えただけなので、被写界深度は増えないんです。

これを顔と手にピントが来るように、アオリのティルト角度(レンズの傾き)をかえると、今度はおしりにピントが来ない

結局は、おしりにも手にもピントを来させるには、絞りを絞ることも同時に行うこととなり、背景のボケが小さくなる、この点では絞らなくてもいい、深度合成(ピント合成)が楽ですね

弱点 一眼レフやミラーレス用の、あおりレンズ(キヤノンではTS-E、ニコンではPCあるいはPC-E)レンズは、非常に高価 最近は、中国やアメリカの会社が、需要がなくなって中古で暴落の中判レンズをミラーレスカメラなどでアオリレンズとして使えるアオリアダプターもだしていますが、状態のいい中判のレンズが少なくなっている+操作性がいまいち。 

レンズベビーが、ティルト機能のみの比較的安価なアオリレンズを出していますが、アオリ調整が微妙なものだと、やりづらい 私は三本も持っていますがw

また、レンズを傾けたり動かしたりするわけで、アオリをかける具合が大きい場合、色収差によるフリンジが目立つ場合もある(最近のソフトは色収差の補正が簡単かつ優秀なのが増えましたが)

また、一眼レフ用のこうしたTS-E, PC-Eなどあおりレンズは、高価にも関わらず、フロントあおり機能しかなく、バックあおり機能はない=バックティルトやバックシフトの機能がない、なんちゃってあおりレンズなので、高度なあおり操作は無理

こうしたことから、きちんとしたあおり装置のある、ビュータイプの大判カメラや中判カメラに、一眼レフやミラーレスカメラを装着するのが、最近少し値段が上がったとは言え、未だ安値の中古が転がってるのでありですが、 大判カメラ(中判)やレンズの操作の知識がいる また巨大なので、大型の三脚に備え付けが必須となる など、ホビーカメラマンには無理無理の世界

ビューカメラ式のミラーレスや一眼レフにつけるアオリアダプターもありますが、高価

一眼レフ用のアオリレンズで、絞り機構などが機械式のものなら、アオリ機能付きの一眼レフ→ミラーレスカメラ用のマウントアダプターを更に取っつければ、ミラーレスカメラでフロントアオリとバックアオリが可能になりますが、アオリ機能付きのマウントアダプターでは、アオリの微妙な調整が構造上ややめんどくさい。さらに機械式絞りの一眼用アオリレンズは、中古で探しても殆どないのが現状(新品はサムヤンの24mmがある)

まあ、それはさておき、以下のように

Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D +Nikon AI AF-S TELECONVERTER TC-14E II にティルトができるマウントアダプターをさらに一個追加し、バックティルトもできるようにして、ソニーのEマウントカメラでフロントティルト上向き6度、バックティルト右に8度、120mm 絞り開放F3.8で撮影したのが下、別の日に撮影したので、ちょいと曇り気味ですが、

Nikon PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D +Nikon AI AF-S TELECONVERTER TC-14E II F3.8 +Tilt Shift Mount Adapter : Sony A7III

やっぱり絞って被写界深度を稼がないと、ボケる部分が出ちゃいます。

とか色々あるので、アマチュアなどのホビーメインのカメラマンは、アオリレンズ・あるいはアオリ装置での撮影より、ピント合成=深度合成か、センサーが小型のサイズのスマホなどを使うのが無難です。

アオリレンズは、シフト機能があれば、スティッチ(ステッチ)撮影(パノラマ合成のようなもの)によって、フルサイズカメラでも、フジの中判クラスの画素サイズのカメラで撮影したように合成できる、なんちゃって中判撮影ができたりするので、お金があるなら買うのは止めませんし、建築写真をそれなりのギャラがもらえる専門職の仕事でやってるなら、一本は持っておきたいものです。

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フロントあおりバックあおりの解説は、

「アオリ撮影」Y’s CREATE CO.,LTD

http://www.ohban4x5.com/aori.html

被写界深度

https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/05.html

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画像の利用条件は、日本政府への寄付金一億円(画像一枚ごと、一回に付きです)とし、使用にあたっては寄付を証明する書類などの画像を同時に表示してください、画像使用にまつわる寄付の証明を同時に提示しないでの、勝手な利用は全て不正利用とみなし、

日本政府を当ブログの代理人とし、その不正利用者から、当ブログとの連絡なしに、使用にかかわる寄付金を徴収する権利を、認めます。

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モデルフィギュア

桜島麻衣 1/4 バニーバージョン

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ケンコーACクローズアップレンズNo.4+レンズベビー80mm 2.8 エッジEdgeの組み合わせ相性のテスト

比較的高価なものが多い、一眼レフなどに使われるアオリレンズですが、ミラーレスカメラが普及してからは、安価なアオリ機能アダプターが出たり、機械式の完全手動でよけれアば、以前よりは一般人にも手に入れることが容易になりました。

米国のレンズベビーLensbabyは、アオリレンズの内、ティルト機能のみを組み込んだ各種のレンズをコンポーサーシリーズとして出し、また、クラッシックレンズの味を現在のカメラに使いやすいようにした、トイレンズ的なものを数多く出しています。

さて、レンズベビー社は、コンポーサーシステムという、レンズ交換マウントシステムを展開し、その交換レンズの内、Edgeシリーズと名前が呼ばれるものは、他のようにわざと周辺が流れたり、ソフトにならない、普通のレンズです。ただしアオリのティルト機能に対応するため、イメージサークルは中判カメラのセンサーやブローニフィルムをカバーできそうなくらい余裕がとられています。

Edgeシリーズ自体、光学系は公開されていないものの、今では特許切れとなった、過去の有名オールドレンズの設計をそのまま踏襲していると見られ、引き伸ばしレンズの設計も取り入れているフシがあります。このためやはり絞り開放付近では、オールドレンズと似たような描写をみせます。ただ、使っているガラスは現代の高性能のもののため、Edgeシリーズは結構侮れない写りをします。

今回は、

エッジ80オプティック

https://www.kenko-tokina.co.jp/camera-lens/lensbaby/edge80_optic.html

を、ケンコーのACクローズアップレンズNo4を取り付け、ソニーのEマウントフルサイズミラーレスカメラにつけて実写での撮影実験を行います。テストチャートや文書撮影だと、画質が周辺でやや劣化するのが確認できたりしますが、被写体が立体物なら、クローズアップレンズによる画質劣化は目立ちにくく、撮影では絞りを2~3段絞れば、侮れない(ただし相性の悪いレンズがあるので、そういうレンズの場合絞ってもイマイチのことがある)

絞りは三段絞ったF8ですが、立体物の実写の撮影テストでの画質は、非常に安定していて、ケンコーのACクローズアップレンズNo4とLensbabyエッジ80オプティックの相性は非常に良いと言えます。

ただし、今回の80mmレンズに組み合わせるクローズアプレンズが、No4だと、撮影できる距離で動かせる前後空間は、クローズアップレンズからモデルまで25センチから前に、8センチ位までしかないので、レンズから50センチまで離せるNo2か、33cmまでレンズから被写体を離せる、No3のほうが使いやすいとは言えます,。

ACクローズアップレンズ No.4

https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/eq-digital/close/close_up/4961607358092.html

わざわざティルトレンズを使う理由があるのか?

大判カメラ、中判カメラではアオリ機能を使うのはむしろ当たり前で、絞りを開けたり絞ったりすることで被写界深度の調整をするフルサイズやAPS-Cサイズのカメラとは違い、アオリのティルト(Tilt)機能を用いることで、撮影するレンズの角度を変えることで、ボケる範囲を変える方式によるボケの演出が普通です。

フルサイズやAPS-C(とマクロフォーサーズ)でも、こうしたアオリのティルト手法(FreeLensとも呼ばれたりする)を用い、広角レンズでボケにくいレンズや、望遠レンズで絞りを絞ってイルのに、背景などが大ボケする効果を出すため、アオリのティルト機能の原理は用いられます。

試しに今回試した、レンズベビー80mm エッジEdgeと、ケンコーのACクローズアップレンズNo.4の組み合わせで、F11に絞って、通常の位置(上)と、レンズをティルト(Tilt)させてピントを合う角度を変えたもの(下)の比較をしてみましょう

Lensbaby 80mm Edge + Kenko (Hoya) AC Coloseup filter No4 Above: Normal position Below: Lens Tilted

レンズを真っ直ぐにしたまま撮影した上では、両目にピントが来ていますが、

アオリでレンズを傾け=ティルト(Tilt)させた下では、同じF11の絞りでピント位置は同じなのに、右目が被写界深度から外れ左目だけにピントが来ています。

絞りを操作せず、レンズの角度を変えることで、ピントを合っている部分の範囲を制限したり、逆に増やすことで、ボケる範囲をも変える効果が、アオリレンズのティルト機能であり、ボケにくい広角レンズの背景をポケボケさせるテクニックとしてアオリのティルトを用いるのは、昔からの知恵です。

モデル:冴えない彼女の育てかた 澤村・スペンサー・英梨々 1/4スケール

【写真用語】レンズのボケ(ピントが合わない)領域の描写にこだわるのは日本独自の文化なのか【よくある間違い】The Origin of the term “Bokeh”

カメラのレンズのピントが合っていない領域=ボケ=アウトフォーカス(out focus)の部分の描写(quality of the area of out focus)にこだわった、ボケにこだわる写真は、日本の写真文化独自のものである

このため、日本語のボケが海外ではBokehとして、レンズのピントの合っていないボケた領域の描写の用語として1990年代後半頃から世界で広く用いられるようになった

という、話が「プロ」カメラマン・写真家の間でまことしやかに語られることも多いですが、

正解から言うと、

半分間違いで、半分はあるいは正解

ということになります。

レンズ固有のボケの質の違いを、細かく分析議論するのは確かに日本特有の文化だが、レンズを傾けるティルトなどによるアオリ機構を使ったボケ表現などはそもそも写真機が生み出された欧米起源のもの

せいぜいフルサイズ(35mm)サイズのカメラでしか物事を考えないと、確かに交換レンズのボケの質に特にこだわったのは、日本人ということは、間違いないのですが、

フルサイズ=35ミリカメラが普及し出したのは、1960年代頃からで、それ以前は、アマチュアカメラマンは、もっと安価に手に入る中判カメラの二眼レフを買っていた

この頃は、ニュース写真なども、専属カメラマンが、大判や中判カメラを持って、撮影していたことは、この時期の映画などでよく見られます。小型の35ミリカメラの性能とフィルムの性能が上がると、商業や作品作家以外の、取材カメラマンの持つものは、次第に今のフルサイズサイズのカメラに変わっていきます

というわけで、写真撮影をプロとして行う人のメイン機材は、1980年頃から、徐々に今のフルサイズ=35mmが増えだすものの、21世紀初頭頃までは、大判や中判のカメラがまだまだ商業や作品プロの主役でした。

大判カメラの標準レンズは、だいたい焦点距離150mmの、フルサイズからしたらとんでもない望遠レンズとなり、焦点距離が長いため、ボケるのが普通で、逆に「どうやって被写界深度を稼いでピントの合った範囲を広げるか」のほうが、カメラマンの関心事でした。

そう、大判や中判カメラでは、ピントがなかなか全面に合わずボケるなんて当たり前で、むしろピントを合わせる前後の範囲=被写界深度を稼ぐ方に関心が向いていたため、ボケの質の云々話はさほど流行らなかったわけです。

ちなみに以下の実験は、左(APS-Cサイズ)、中央(フルサイズ)、右(大判)カメラで、似たような被写界深度になるように調整して撮影した例ですが、

Ultimate Portrait Bokeh Shootout – Crop vs Full vs Large Format

同じ画角と被写界深度になるように調整した結果、左のAPS-Cサイズのカメラでは50mmレンズで絞りF1.8、中央のフルサイズでは85mm レンズで絞りF3.3, 右の大判では、なんと300mmレンズで、絞りF12.7!

そう、大判カメラはF12.7まで絞り絞っても、ボケまくるカメラなので、ほっといてもボケまくる大判カメラでは、ボケがどうのこうのより、いかにピントを稼ぐかの方に関心が集まるのは当然でした

また、20世紀前半くらいまで、写真家のメインの仕事は、大判カメラで、偉い人の威厳のある肖像写真を撮ることだったので、全面にピントが合った写真が好まれたのは当然。

大判カメラを使った撮影では、絞りを今のフルサイズよりかなり絞って撮影するため、レンズ設計の違いによるボケの個性も、大判カメラでの撮影で被写界深度の必要上、大きく絞ると、ほぼ無個性で、レンズの違いによるボケ質の違いとかは、あまり話題になりにくかった。

当時は小型の、今では大型フルサイズと呼ばれるカメラは、アナログフィルム時代は引き伸ばし性能が低かったため、20世紀末期になるまで、主に報道写真系列が使うカメラでした。こうしたジャンルでは、ピントが合っていることが重要で、ボケは重要視されなかった。が、今のように自動でピントを合わせてくれるAFが発達しておらず、MF=手動でピント合わせをしていたわけですが、一瞬を争う報道スクープやストリートフォト写真では、ピントを合わせる一瞬のすきに決定的瞬間を逃すことを避けるために、絞りを深く絞って、被写界深度を予め稼ぎ(パンフォーカス)、ピント合わせの手間を省いて撮影するのが半ば常識でした(ブレッソンはこの手法で傑作を多く残したし、AF全盛になっても、21世紀の名物男、ビル・カニンガムさんは、一瞬のチャンスを逃さないように死ぬまで、できるだけパンフォーカスにこだわった)。

とはいえ、ピントが合っていない部分の描写に、欧米人がむとんちゃくだったというのは、全くの間違い

Meyer Optik Görlitzが製造していたレンズは、シャボン玉ボケ(Soap Bokeh)がきれいに出るということで、20世紀後半、主に欧米のTVドラマや映画製作者たちが好んで隠し味に使っていたレンズですし、

現在もそのままの設計で復刻版が製造されてます

Meyer Optik Görlitz Objektive – Tradition trifft Innovation

https://www.meyer-optik-goerlitz.com/

原始的なトリプレットレンズ系統のレンズに特有なぐるぐる渦巻ボケ(Swift Bokeh)を使った写真も、欧米では古くから認知されていました。

しかし、こうした欧米のボケの話は、どちらかというと、個々のレンズのボケの性質の個性より、大判カメラや中判のビューカメラでの、アオリ装置操作でのティルト操作により、ピントの合う角度をレンズの角度を傾けることで変えてやり、その副作用で、ピントの合っていない領域のボケ(Bokeh)の描写を変える手法でつかわれていました。

というのも、主流で使われていた大判や中判カメラでは、レンズの個性がなくなるところまで絞りを絞るのが普通で、開放絞り付近のレンズの違いによるボケの質の違いなんて、議論のねたになりにくかったからです。

DAVID BURNETTの下のこれとか、ティルト機構を使った、絞りコントロールによらないボケコントロール

日本のように写真のレンズの絞りを変える(被写界深度)を変えることで、ボケの大きさを変えたり、レンズ設計の違いにより細かいボケの質の違いを云々評論する文化とは異なり、レンズをわざと傾けるアオリ操作でボケをコントロールするのが欧米の写真家が主に行っていたことです。

こうした欧米のカメラマンで大判や中判、あるいはフルサイズでのアオリレンズの扱いに熟知したカメラマンは、フルサイズでも、ボケにくい広角レンズを使って、絞りをある程度絞ってボケが小さくなる設定にしてるにも関わらず、背景に見事な大きなボケを出した写真を、しれっと撮影してみせることがあったりします。これは、仕組みを知らない人からは合成とか言われるようなこうした撮影は、アオリ操作の一種のFree Lens手法を使った、欧米では古くから知られるかんたんなトリックボケのテクニックです。

本来はボケにくいカメラであった、35mm=ライカ判=フルサイズでは、アオリ機能は大型でフルサイズのような小型カメラで実用的でないなどの事情から、レンズそのもののボケ質の違いに関心が集まることが多くなった

1970年頃から、徐々にアマチュアカメラマンにも当時はまだ小型だったフルサイズカメラが普及していきますが、フルサイズのカメラは使うレンズの焦点距離が短いものが多く、被写界深度が広いため,中判や大判カメラに比べて、ボケにくいのが特徴でした(21世紀の現在は、フルサイズカメラはボケやすいカメラとされていますが、大判カメラに比べれば、全然ボケないカメラです)。また大判のように大掛かりなアオリ機能を持つカメラやレンズもなく、「小型の」フルサイズように大掛かりなアオリ機構を作ったところで、巨大で重く、高額で購入者層の大部分であるアマチュアにはかえないものでした。

そう、大判カメラとは違い、ボケにくいフルサイズでは、大判カメラのときとは違い、いかにボケさせるかの方に関心が移った。

このため、1960年頃から「当時は小型」の35mm=フルサイズカメラ市場で主権を握った日本メーカーは、35mmフルサイズカメラでも、ボケますよと、被写界深度を狭くできる大口径で開放F値が小さい、新レンズのボケなどを積極的に宣伝し、レンズ設計の違いによるボケの違いなどの評論も盛んになっていくわけでした。カメラメーカーとしては、フルサイズでもボケやすい明るい=開放F値が小さい大口径レンズのほうが高く売れるため、大口径レンズのボケについても、日本メーカーを中心に、色々議論などを盛り上げ(販促としての機材うんちく話盛り上げもある、カメラ用品が今のような消耗品ではなく、骨董品コレクションとして成立していた時代は結構なことだったが)、購買意欲を煽っていくことになります。

アオリレンズのポートレートなどでのボケコントロール ティルトレンズを使った応用 Freelensing (Freelens, Freelensed)

アオリレンズ(ニコンではPC-EとかキヤノンTS-Eとか名前がつく。ティルトシフトレンズとも呼ばれる)のうち、斜めにレンズを傾ける=ティルト機能(tilt)を持つレンズは、ポートレートにおいてピントの合う角度を変えるのみならず、ボケを大きく見せるのにも用いられます。アオリ撮影は、大判というフィルムの大型カメラが使われていた時は、ポートレートでも盛んに使われましたが、デジタル一眼が普及しだしてからは、かつてのテクニックが忘れ去られている部分もあり、アオリレンズ=ティルトシフトレンズの使用風景は目立たなくなりましたが、いまでも隠し味的(撮影セッションの5~10%位でティルトシフトレンズを使う)に常用する人は珍しくありません。

レンズをカメラから見て傾ける=ティルトさせて、ピントの合う角度を変えれば、ボケる角度も変わり、ボケの大きさも変わるわけで、ボケにくい広角レンズで、背景にとてつもなく大きなボケを出したりするテクニックが有名です。夜景での背景の光源ボケを大きくするなどのテクですね。

ティルト機能を持つレンズでは、レンズベビーが比較的安価で、オールドレンズの味とされるものを現代の撮影に使いやすいように誇張しているレンズ群なので、ポートレートや情緒的写真の撮影道具目的にはぴったり。ただし、全部手動レンズなので、ミラーレス一眼かライブビューがないと使いにくい。

もっと安価に始めたいなら、ニコンなどの旧式絞りリングのあるレンズ(や他社の機械連動式の古い世代のレンズ)を中古でも新品でも買ってきて、ティルトアダプターを付けて、各社のミラーレスカメラでマニュアル撮影する方法もあります。(参考記事1)

日本だと、自作ティルトレンズとか、自作アオリレンズとかいう名称が使われて、市販の蛇腹などをつけてで自作しているヒトもいます。(参考記事2)

まあ、自作も面倒なら、手持ちのカメラからレンズを外して、手で傾ける方法もあります。原理としてはアオリレンズのティルトと同じことをするわけですが、カメラからレンズを取り外して撮影するので、Freelensと呼ばれることが多いです。(参考記事3)*シフトレンズの真似事もできますが、freelensingと呼ばれる手法でそれをメインに使う人はいない。

これ、めんどっちいし、最近のレンズはレンズの絞り機構が電子制御式のものが多くなり、カメラに取り付けないと絞りがコントロール出来ないものが多いので、最新レンズを使いたい時は難点。

ティルトレンズ(や手抜きの各種処方でのティルト)により、ピントの合う角度を変える場合、背景や前面のボケが大きく変化しますので、ボケにくい広角レンズで大きなボケを出す場合に有効で、それを作画に使う手法で、ティルト機能(やティルト機能付きアダプター))を持っていない普通の撮影レンズをカメラから外して、ティルトさせる撮影法を用いたものが、Freelensedとか言われたりします。まあ、ティルトと同じ意味ですが、なんちゃってティルト撮影という意味ですね。

下の解説記事では、レンズを上下どちらかに傾ける(=ティルト)ことで、画面の一部のボケを大きく出す手法が解説されています。

Freelensing: Two Minute Tips with David Bergman


(参考記事1)
「デジカメドレスアップ主義:オールドレンズでジオラマ写真 ソニーNEX-5 + ライツ ズミクロンR 50mm F2 タイプI」Reported by澤村徹
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/dressup/422721.html

アオリレンズ その2 ティルト機能編 弘法は筆を選ばず レンズベビーの活用 レタッチソフト機能による代用 (おまけの応用)シフト機能を応用して中判いらずの超高画質撮影

(参考記事2)
「手作りのティルトシフトレンズを作ろう!2013-09-08」
https://www.lomography.jp/magazine/251079-create-your-own-tilt-shift-lens-jp

(参考記事3)
Lens Whacking / Free Lensing Tutorial for Cinematography and Photography

レンズを傾けるのに邪魔と、新品のニコンレンズのマウント取り外しちゃった豪傑様によるfreelensingによるティルト撮影。
”A Photographer’s Guide to Freelensing, The Poor Man’s Tilt-Shift Lens apr 30, 2013 Jay Cassario”
https://petapixel.com/2013/04/30/a-photographers-guide-to-freelensing-the-poor-mans-tilt-shift-lens/

ボケを活かす写真は、大口径レンズだけではなく、アオリレンズのティルト機能を使うことでも、ボケを表現できる