Daz Studioと内臓レンダラー3Delight: Daz Studioの無料付属3Delightのフル機能を開放させるためには? 低性能旧製品と卑下される理由はそもそもない

投稿者: 5190343667gg

3Delightは長く、DazStudioの標準レンダラー(画像化エンジン)でしたが、Irayの搭載後は、ユーザーの側で旧製品とか、型落ち、旧製品、レガシーのレンダラーの扱いをする人が多くなりました。

3Delightは、ピクサーが自社用のレンダラーRendermanの仕様を他の会社も使えるように公開した時期に、互換レンダラーの一つとして誕生し、基本部分でRendermanとの互換性を維持しながら独自の発展をしてきて、主に日本のアニメーション制作では、攻殻機動隊などで、多く使われてきたプロ用レンダラーです

しかし、Daz StudioがIrayレンダラーを搭載したときに、3Delightはオワコン、互換のRendermanだって、ピクサーは放棄し始めてるよとか、ネット系でデマを飛ばすDazユーザーが多かったせいもあるのか、アマチュアユーザーの間では、3Delightダメポという感覚でいる人は今では多くなってしまいました。

しかし、実務で言えば、Irayは、Vray, Arnoldに完敗し、業務ではなくホビーソフトでの採用がメインのままに対して、

3Delightは、PixerのRendermanとの互換性のある、強力なプロ用レンダラーの地位を、現在も保ったママと、

Dazを中心とした、アマチュアユーザーと、実務ユーザーの認識の隔離が見られるままとなっています。

「アニメCGのワークフローを劇的に変える! 『BLAME!』の映像表現を支えた「Maneki」のレンダリングソリューションとは(前編)」CGWorld 2018.05.17

https://cgworld.jp/interview/201805-ppi-maneki01-3.html

には、アニメ映画の作成などに用いられる、高級シェーダーManekiの話が出てきていますが、

Manekiは、3Delight用の業務用トゥーンシェーダーです

Maneki and “Photo Surreal Rendering”

https://maneki.tv/tools/3delight/

現実、トゥーンレンダリングに関しては、Irayで消耗する必要がないくらい、3Delightは優れています

Dazの3Delightには、Manekiなどの細かいところまで追い込みのできる高級シェーダーはないですが、一通りのことができるシェーダーは売られています。

というわけで、Daz Studioに内蔵されている無料の3Delightの評判が、業務競争では敗北しているIrayに比べて劣るのは、ある意味不思議なことでもあるのですが、

1:Daz Studioに搭載されている3Delightは、一時期を除いて、バージョンがやや古いが、原則フルバージョンの3Delightである 本来は商用は有料の3Delightが、Daz内蔵のものであれば、商用も無償で自由なのが、Dazの優れたところ

2:ただし、Dazは何を考えたか、3Delightの性能を引き出すコマンドを隠し設定にしていたり、シェーダー(Shader)がやや簡素な手抜き品しか同梱しないため、Daz Studioでの3Delightは多くのユーザーが性能を引き出せなかった*Daz Studioはシェーダーの組み方の解説が貧弱で、わかりにくいのもユーザーが自作シェーダーを作りたがらない理由(3Delightだけではなく、Irayのシェーダーも組みにくい)*path tracing機能を引き出すためのスクリプトもDazは提供していない

ことが、Dazユーザーの間での、3Delightの評判が低くなったままという現実に繋がり、Irayより劣ったものという認識になってきました。

実際のところ、Daz Studioでも隠しコマンドを表示させて、設定を正しく、さらにシェーダー(Shader)も強力なものにすれば、これが同じDaz Studioのおまけ無料レンダラーかというくらいに実力を発揮します。

Daz Studioで,内臓の3Delightの性能をフルに発揮させる:よりフォトリアルなレンダリングを可能にする設定

1:3Delightの、レンダリング(画像出力)設定Render Settingのガンマ設定を2.2にするなど,、みなおしと、隠しコマンドを表示させて、隠し設定を正しく設定する

Sven Dullahさん のおすすめ設定

隠し設定を表示させるのは、右上のマークをマウスで右クリックすると、

右上に、Preferenceという文字のあるメニューが出るのでマウスでクリック、すると、Show Hidden Propertiesという文字を含んだメニューが出るので、それをマウスでクリック これで隠しメニューが出てきます

Sven Dullahさん は、レンダリング速度が優先なら、Shading Rateは0.5くらいで十分かもと、一番下で紹介したフォーラムで話していますね。

Dazの出荷設定のgammaガンマ1(下の左側)と、変更後のgammaガンマ2.2(下の右側)では、レンダリングにこれだけ差が出ます(ライトやシェーダーは以下の2,3.4の手順で設定して、レンダリングしたもの)

ガンマ=Gammaの数字を、2.2にすることで、DAZの3Delightでよく言われる、のっぺり感が大幅に減り、フォトリアル系に近くなります

2; ライトも、環境光線用にUberenviroment2を呼び出し、occlusion and soft shadows:に設定(これをしないとのっぺりした画像になる)、これも隠し設定を表示させ、必要に応じて制限Limitの項目をアンチェックした上で、設定を変える UberEnviroment Lightは3Delightでのフォトリアルレンダリングには不可欠となります

Sven Dullahさん のおすすめ設定

****通常は表示されないコマンドメニューもいじるので、その隠し設定を表示させるには、以下の画面の右上のマークをマウスで右クリックすると

以下のメニューが出るので、

Show Hidden Properties(隠しメニュー表示の文字の左側にマウスでチェック)

すると、隠し設定(Hidden Properties)が出てくる

下のスポットライトも同じ

3:追加スポットライト(Spot Light)なども、Raytraced(software only) に設定(これをしないとのっぺりした画像になる) 同じように隠し設定を表示させ、 必要に応じて制限Limitの項目をアンチェックした上で、設定を変える

Sven Dullahさん のおすすめ設定、intensity scaleは20000(Limitのチェックを外せば設定可能)Shadow Softnessは10000

ライトの明るさ調整は、Intensityの数字を上下させて調整

4:上の1~3の作業が最も大事だが、Shader(シェーダー)も、標準シェーダーではなく、同じく付属のUber系あるいは、他の有料無料の外部製作者のものを使う(Iray用のシェーダーしかついてこない製品は、手動や自動コンバーターを購入)3Delightは、トランスマップやガラスなどがあると、レンダリング速度が猛烈に落ちるが、Uber系のシェーダー(Shader)を用いると、この難点が解消され、超高速になる、うまく設定できれば、CPUのみでのレンダリングなら、CPUのみのIrayのレンダリング時間の数倍早くなる

手持ちのシェーダーShader、あるいはIray→3Delightマテリアルシェーダー変換スクリプトで当てたシェーダーがうまく行かない場合、

有料で発売されていたが、現在は無償公開の

AWE Shading Kit by wowie

https://www.renderosity.com/freestuff/items/86304/awe-shading-kit

を使うといい場合がある。

髪の毛は専用プリセットもあるが、

髪の毛と、皮膚には、

AWE SSS Skin4を使って、あとは好みに調整するといい、AWE SSS Skin 1-3は、皮膚の色が濃くなり、テカリが強くなる 3Delightのベテランが業務の知識で作った、上級者向け3DelightのShader(シェーダー)なので、設定項目が多すぎて大混乱するかもしれませんが

AWE Shaderは全体的に猛烈テカリが増えるので、使っているシェーダーShaderで物足りないときに、必要な部分のみに、適応して使うのが良いかも。

***DAZ StudioでのシェーダーShaderの変更方法、適応方法は、ちょいと独自ですが、日本語の解説を書いてる、動画をアップしている人もいるので、このブログでは割愛

5:1~3の設定の代わりにIBL Master for Daz Studioなどの有料ライトセットを買うのもあり

https://www.daz3d.com/ibl-master-for-daz-studio

まあ、5番目は絶対に必要ではないですが、1~4まで、特に1~3の手順が大事になります。

***画像が明るすぎる

これらの設定でレンダリングした際、ライトの数字を小さく変えても明るくなりすぎる場合、カメラのHead lampがOnになっていないかチェック

カメラのLampの強さを3くらい以下に下げるか、あるいはOffにしてみましょう

Sven Dullahさんは、このDaz Studio内臓の3Delightレンダラーの性能をフルに開放する、レンダリングやライト設定に関して詳しく解説しています

この話題を提供したDAZフォーラムの内容

In-Depth Tutorial for squeezing the best of 3Delight?

https://www.daz3d.com/forums/discussion/303011/in-depth-tutorial-for-squeezing-the-best-of-3delight

3Delightと法線マップ(Normal Map)などの工程疑似再現テクスチャの扱い

3Delightは、法線マップの扱いが、やや苦手なので、古い規格のバンプマップ(Bump Map)のほうが効率がいい場合があります

なお、3DelightはCPUの性能に依存するため、16コア、できれば32コア(マルチスレッドで64コアになるやつ)以上のCPU搭載のパソコンで使うのが望ましい もう一つの内蔵レンダラーIrayが、NVIDIAのグラボの性能で速度が左右されるのとは異なる

3DelightのCPU別によるレンダリングスピード比較テスト

https://www.3delight.com/page/features/2020-10-06-CPUbenchmark

Daz Studioに乗っている3Delightは1バージョン古い、Version12で、Renderman互換のRSL(Renderman Script Language)でシェーダーを書く最後のバージョンです。

現在のVersion13の3Delightでは、新しいシェーダー言語が作られ、旧来のRSLで書かれたシェーダー(Shader)は、レガシー(Legacy)過去モード互換で動くようになっています

というわけで、これまでに大量に作られた、RSLで書かれたシェーダーShaderを使う、過去の3Dモデル資産を使うぶんには、DAZに搭載されたバージョン12のママでも特に支障はないわけです。OSのアップデートとかで動かなくなるまではね。

3Delight側がその時に、DAZに新型バージョン提供するかもしれないし

Daz搭載のShader作成ノードは、RSL準拠で、非常に初歩的なもの。

Daz Studio 3Delight用Awe Shaderでの髪の毛のShader設定