「写真は50mmに始まり50mmに終わる」「写真は標準に始まり標準に終わる」という都市伝説デマ:実際はフルサイズで40-60mm(他のサイズのカメラなら換算でそれ)くらいの間なら全部標準レンズ

投稿者: 5190343667gg

標準レンズが50mmと言われますのは、ライカ判のフルサイズ相当のカメラ(A9, A7, 1D, D5, D6とかの)の話であって、最近は画素センサーの大きさが異なるカメラが乱立しているので、Nikon D5600, Kiss 9xi, A6400などの小型カメラでは35mmになるわけです。

そして、「写真は50mmに始まり50mmに終わる」とかいうのは、これはライカ判=フルサイズの世界でだけ使われている迷信的な都市伝説です。
というのも、他のサイズのカメラ、中判や大判の世界では、とある焦点距離のレンズが標準で、写真はそのレンズに始まり、そのレンズに終わるなんて、そんな事誰も言わなかったし、今も誰も言わない。

フルサイズ=35mmのカメラの世界だけ標準レンズが~というまことしやかな写真のバイブルみたいな話が出来上がっていたのです。
アマチュア写真家がメインのライカ判=フルサイズの世界でのみ、カルト伝説「写真は50mmに始まり50mmに終わる」が流されて、最近ではより小型のAPS-Cカメラがアマチュアカメラマンに人気なので、だいたい35mmがフルサイズの50mm相当なので、「写真は35mmに始まり35mmに終わる」とか言い出す人も出そうかなw

でも、プロがメインで使う大型カメラの世界ではそんな阿呆な伝説は語られません。

Phase Oneに吸収されたマミヤは、67という中判カメラを多数だしていましたが、シリーズごとに、同じサイズのフィルムを使うカメラなのに、標準レンズは80ミリだったり、90ミリだったり、あるいは110ミリと、全く異なる焦点距離のレンズを標準レンズセットとして売っていました。

風景写真家向けのMamiya 7では80mm, よりスタジオ向けのRBは90mm、ポートレート写真家の愛用家が多かったRZでは110mmと、同じサイズのフィルムを使うカメラでも、顧客のニーズに合わせて異なった焦点距離のレンズがそれぞれ「標準レンズ」とされていました。

中判カメラの世界では、特定の焦点距離のレンズが標準レンズであり、写真はそこから始まりそこで終わるとか、カルト伝説を語る人は今でもいません。大判カメラも一緒です。

主にフルサイズのカメラの世界でのみ 「写真は50mm標準レンズで始まり50mm標準レンズで終わる」なんて話が流されてるのは、カルト宗教と同じく、理由も根拠もない。

ブレッソンという有名な方は、仕事の大部分をライカ=フルサイズ相当の50mmで撮影していましたが、個人的には35mmも大好きと発言しています。

またブレッソンに感化され、その手法を真似した多くのストリートスナップがテーマの著名写真家も、レンズに関しては自分の表現やニーズに合わせてフルサイズでの28mm, 35mmを使い続ける人が多数いました。

「ブレッソンが50mmを使っていた」ということだけで、50mmでのみ撮影するのは、間違っています。ブレッソンという人には50mmが最適であったことは事実です。でも人間は工業製品ではないので、個体差がかなりあります。というのも、人間の視覚能力というのは個人の差がかなりあり、人によって視覚認識が広角よりだったり、望遠よりだったりするなどの個人差があるのが普通で、50mmではしっくりこないことが多くあるからです。

これを考えると、ニコン、キヤノン、ペンタックス、ソニーなどが50mmだけを標準レンズとして宣伝しているバカさ加減がわかるというものです。
同じフルサイズ=ライカ判でもコンパクトカメラでは、28mmレンズあたりを標準装備しているのが普通でしたしね。

遠近感が必要以上にデフォルメされないレンズの目安は、フルサイズで40-60mm(APS-Cなら28mm-40mm)の間なので、好みでそのあたりのレンズから好きな焦点距離があなたの標準レンズとなりますが、遠近感が誇張されるのが大好きなら広角や望遠が標準レンズでも一向にかまわないわけです。

実際有名なポートレート写真家の標準レンズは中判カメラの180mmで、フルサイズでは大体90mm, APS-Cだと60mm前後ですが、彼は死ぬまでほとんどそれしか使いませんでした。彼にとってはフルサイズでは、90ミリ前後が標準レンズだったわけです。

ポートレートでも、フルサイズだと、85mmが標準レンズと言われますが、実際のところ85mmが目安なだけで、100mmや105mmしか使わない写真家もたくさんいるわけです。というわけで50mm(APS-Cでは35mm前後)を神格化する必要はまったくない。

フルサイズでの標準レンズ=50mmというのは、大体それくらいが目安という具合に考えるのが正しい。


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