標準レンズとは?自分のジャンルや仕事で使いやすい焦点距離が標準レンズ

投稿者: 5190343667gg

フランスの写真家、フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson 1908年8月22日 – 2004年8月3日 英語読みだとヘンリだが、日本だとカナ表記はアンリとされてるんで)は、報道のイベントや事件撮影などで、50mmレンズ一本で勝負していた人でした。

街の中の人々の面白い出来事の撮影しかしないと決めて、しかも被写体に近寄って撮影と決めているいるわけですから、別にそれ以外のレンズがなければ困るというものでもなかったからです。

当時はライカのカメラでは、50mmレンズが一番安くて小型軽量なので、一日中歩きまわるブレッソンには最適だったわけです。またフルサイズと呼ばれるサイズのカメラでは、開放値の小さい、明るいレンズが、50mmが安価に製造できたので、まず最初の一本に、最適だったこともあります。

ブレッソンの時代は、まだカメラもレンズも高価過ぎて、後に有名になるのが45歳過ぎと遅咲きのブレッソンでした。このため、下積みの長かった彼には、他のレンズが買えないので、なんとか買える50ミリレンズ一本で勝負せざるを負えない時代であったこともあります。

同じような撮影スタイルで有名だったのは、時代は異なりますが、アメリカのビル・カニンガム(Bill Cunningham 1929-2016)さんです。

カニンガムさんの時代になると、ブレッソンの時代とは異なり、駆け出しでも中古とかで2~3本レンズを買うことができるようになってきました。

ブレッソンの時代とは異なり交換レンズの値段は安くなっても、カニンガムさんの撮影は、大部分準標準レンズと呼ばれる35mm相当のレンズ一本で行っていました。取材とかの仕事も単焦点レンズ一本での撮影がほとんど。最後までズームは使わなかった。

彼がよく使っていたのは、
フルサイズなら35mm
小型のAPS-Cサイズのカメラだと、24mm単焦点(フルサイズで換算35mm)を愛用していました。

カニンガムさんの場合、時間が取れれば50mm(相当の)レンズも使ったようですが、仕事でシャッターチャンスが最優先の場合はフルサイズなら、大部分35mmか、サイズの異なるカメラだとそれに相当するレンズを使っていました。

てなわけで50mm(フルサイズでの)が、標準レンズなんてのはどうでもいいわけです。遠近があまり誇張されず、人間の見たものに近い画角は、だいたいフルサイズでの40~60mmですので、このあたりが、標準レンズと考えて一向に差し支えないし、人によって若干好みが違うのだから、標準レンズは50mmを使わなきゃいけないということもないわけです。

50ミリレンズの画角は、「街の人々の生活風景の記録を切り取り」残すのには、ちょうどよかったりしますが、ぶらり散歩しながら「建物を含めた街の風景を切り取る」にはちょい不足なので使いにくい。人々ではなく、町が主役の撮影なら、28mmから40mmくらいの間のほうが風景スナップには適している。

ブレッソンもカニンガムも、彼らは報道写真家でした。このため、シャッターチャンスが優先なので、一日中あるきまわって撮影できる機材が優先だったわけであり、軽い単焦点レンズにこだわりました。ニュースになる現場がないかと、街中自転車に乗りながら、首にカメラをぶら下げて撮影しているカニンガムさんが下の動画で見れますが、できるだけ軽い、小型なのが一番なわけだったんです。

50mm標準レンズの画角や、遠近感ともに中庸なレンズは、逆に特徴がなく、「取材の道具」ではなく、写真表現の手段としての撮影の道具としては、苦手とする人も多いので、逆に言うと、勉強のための標準の苦行用レンズと考えれば有りです。不自由なレンズで工夫してみることで覚えられることもありますから。ただし、絶対必要とは言い切れません。

一般の旅やお出かけの記録中心のファミリー写真用途では、50mm(APS-Cでは35mmなど)は、使いにくいレンズです。

カニンガムさんの晩年の取材撮影などの回顧ビデオ 晩年も自転車に乗って精力的に取材撮影

カニンガムさんの愛機は、ニコンD3100D5200で、晩年の愛用レンズは

AI AF Nikkor 24mm f/2.8D
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_nikkor_24mm_f28d/

AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/af-s_dx_nikkor_35mm_f18g/

フィルム用フルサイズカメラで絶賛していたレンズは、
Nikon 単焦点レンズ Ai AF Nikkor 35mm f/2D
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_nikkor_35mm_f2d/

こちらはブレッソンの写真紹介ビデオ


報道旅行カメラマンの必須アイテムだった。Ai AF Nikkor 24mm f/2.8DとNikon Ai Nikkor 24mm f/2.8S

「写真は50mmに始まり50mmに終わる」「写真は標準に始まり標準に終わる」という都市伝説デマ:実際はフルサイズで40-60mm(他のサイズのカメラなら換算でそれ)くらいの間なら全部標準レンズ

デジタルカメラ:防塵防滴性能は今や必須の機能ですか?

生涯ほとんど(フルサイズ=ライカ判)では50ミリしか使わなかったHenri Cartier-Bresson(アンリ・カルティエ=ブレッソン)は、準広角レンズの35mmも実は大好きだった