70年近い歴史に幕を閉じた米国写真大学の閉鎖

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Brooks Institute Closes After 70 Years of Photo Education
Aug 13, 2016
Michael Zhang

Brooks Institute Closes After 70 Years of Photo Education

Brooks Institute of Photography は米国カリフォルニア州サン・ディエゴの近くに存在した、かつてはカメラマンを目指す名門大学でした。

Brooks Institute of Photography

http://www.brooks.edu/

ペッター・ヘグレ(Petter Hegre, 1969ー)というノルウェーのヌード写真家など、著名な写真家たちが卒業生です。

しかしながら、21世紀にデジタルカメラの普及とともに、カメラマン自体の所得や雇用状況が大幅に悪化する状況で、多くの著名写真家を送り出した歴史はあっても、高額な学費の必要なBrooks Institute of Photography に進学して、その後の収入を考えると全然割が合わない状況となり、入学者数は、2005年には2563人居たのに、2016年には350人にまで激減する有様でした。

学校をより生徒の通いやすい市街地に移す案も提案されましたが、経営者は泥沼が改善するわけがないと、2016年10月31日に閉校を決めました。この大学、21世紀になってからの経営状況の悪化で、大学認定協会から警告も受けていたようです。

コメント欄には、Todd Klassyさんが、そもそも米国で著名な写真家たち、Ansel Adams, Henri Cartier-Bresson, Brian Duffy, Robert Capa, Bill Cunningham, Richard Avedon, Dorothe Lange, Diane Arbus, Edward Weston, Yousuf Karsh, Helmut Newtonの誰も写真専門大学行ってないよね。2005年以前であれば実物の写真大学は存在意義があったが、格安インターネットでの教育機会の普及で、カメラマンの生存競争の激しい今、将来期待できる収入に見合わない高い学費を払う価値はなくなった、と言うのがありまして、卒業生たちには同意したり、反論したりでw
*アナログの授業形式こそ有効なジャンルは写真とかの映像分野ではたしかにありますが、学費が高くなりすぎたデメリットのほうが大きくなったわけです。

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こうした議論、形と単語は代わっても、今のロースクールや司法資格の(賛同派と否定派の)状況と本質はおんなじw


同じ状況は、アメリカのロースクール=法科大学院にもあり、近年閉校になったのがいくつかあります。かつては地域ではそれなりに名門だったのに、弁護士収入が下がるに連れて志願者が減り、学費的なメリットもないためより上位の大学に学生を奪われ、2年位の学習では司法試験には通れない学生の数を増やして(欧米はじめ、アメリカの指導規則規範は日本とは違い「目安」のことが多く、一定の割合で司法協会の基準に満たない学生を入れること自体は学校の自主性で問題がないのですが、卒業後の合格率が低い状態が続くと警告を受ける*日本の司法試験と違い、アメリカの司法試験は、英語が母語の受験者なら、法律好きでバカではない人がそこそこ勉強すれば7~8割合格に難度設定されてるので、外国籍で英語が母語でないとかいう事情がない受験者の合格率が5割切れば、指導が入るのは当然)、司法試験合格率が下り、試験委員会から警告を受け、学生を他のロースクールに転校させるなどして閉校。