D7500, D500は画素数が足りないのか? 高画素機の意味のない神話

投稿者: 5190343667gg

このところデジタルカメラで高画素路線に走っていたニコンが、DXと呼ばれる小型一眼レフ新型カメラのD500, D7500でそれまでの2400万画素から一転して、2000万画素機で出してきました。逆にフジとキヤノンは、1600-1800万画素機を2400万画素機に上げてきました。これで騒ぐ人たちがいます

画素数が3倍位にならなきゃ実用の範囲で問題になることはないです。たしかに200万画素まで落とされるなら、今度は画素数が少なすぎって話ですけどね。

フルサイズカメラで実用と理想の中間は2400万画素機前後と言われます。3600万画素機は性能を発揮できる条件を選ぶという感じ。
この理屈からいうと、サイズ比的に、CANONのEF-S系(Kissシリーズのサイズだと)ニコンのDXカメラは、1200万画素前後が理想と実用の折衷となります。

ソニーが階調重視で出したフルサイズカメラA7S= Sony a7S IIは1220万画素ですが、これで実用に困ることもない(あなたのフルHD=2K=200万画素のモニターで画像いっぱいに集合写真とか見て、写ってる人の顔が不鮮明なんてことないよね)
Sony a7S II光線状態が悪い場所では、他の高画素機が影の部分がカサカサし始めるにもかかわらず、ねっとり粘りを見せるなど、ソニーがあえて1200万画素カメラを新型で出してきたのは、理由があったわけです(Sony a7Sは動画に特化するために1220万画素の「低画素」にしたという話が出回っています。でも、PRORES録画もできない民生用のナンチャッテ動画機能しかSony a7Sは搭載しない、ビデオカメラとしてはおもちゃカメラです。Sony a7S IIは写真機として作られてるんです)。理想としてはフルサイズカメラの画素数は1200万画素であるともいえます。ニコンのDFというカメラは、ニコンでは、1600万画素以上に上げると(裏で色々ごまかし化学調味料をたさない=ごまかしのない素性では)階調性が落ちるので1600万画素が採用されたとしています。

2400万画素以上の高画素機が生きるのは、遠景の場合、大気のゆらぎの少ない早朝くらいで、今の時期なら朝早くから地面からの熱で大気が揺らぎ、更に紫外線絡みのいたずらとか、遠景の風景の解像を落とすのですから、せっかくの高画素機の威力は半減です。大気のちょっとしたゆらぎで鳥の羽とかはぼやけてしか見えず、高画素機の性能が常時活きるのは、実際は大気の影響を受けにくいスタジオなど室内ということになります。また回折とか小絞りボケ(画素数をロスしてシャープさを取り戻す、「なんちゃって復元機能」とかw)、高感度ノイズ、ちょい暗い場所でも、ノイズレダクションがはたらいて、カタログ上の画素数はないことも高画素機のなんちゃって画素数にはあります。

ソニーがあえてSony a7S IIといった1220万画素フルサイズカメラを各社の高画素化の中で出してきているのは、分かる人はやっぱり低画素の方がいいという需要があるからで、高画素が必要なら、このブログの中で紹介したような様々な分割合成撮影法もあります。以前はきちんと分割撮影しないと、合成エラーやつなぎ目がおかしいものが多かったですが、合成ソフトはどんどん進化してるわけですしね。


シフトレンズの活用 ステッチ撮影 小型カメラ・低画素カメラで無理のない高画素写真を作る。一眼レフ用のアオリレンズやアダプターだとパララックスの狂いが合成の障害として生じる場合があるけど・・・

シフトレンズ(アオリレンズもしくはアオリ機能付きアクセサリー)ではなく、普通の交換レンズとパノラマ雲台、時として手持ちでPhotoshopのPhotomergeなどのパノラマソフトだけで高画質ポートレートを分割撮影から合成する方法

売れる、儲かる写真の機材 マイクロストックの機材とカメラ 一眼レフは5年前くらいの中古で十分

画素数と小絞りボケ(回折現象=回折ボケ)

開放がシャープなレンズは・・・・

最初の超高画素機ニコンD800、D800Eが売り出されたときも「大型三脚を使ってしっかり撮影しないと、ブレで本来の画素数が発揮できない」とニコンが公式ブックなどを通じて度々注意されていましたが、意味もなく飛びつく人達を見て、いつのまにやらニコンを含めた各社は高画素機を売り出すにあたり、そういった注意書きを出さなくなりました。*2400万画素機でも注意しないとかんたんにブレが目立つことは良心的ユーザーがアチコチ指摘してますし、ブレを減らすために感度を上げるととたんに「なんちゃってカタログだけの画素数」なのも↓で説明できます。


感度100ですら猛烈にノイズレダクションがかかっている高画素カメラ=実際はノイズ低減で画素数が食われ、カタログの画素数はない。

富士フィルムが5000万画素の中判デジタルを発売しましたが、同社の小型(キヤノンのKissやEOS-Mと同サイズ)のXシリーズカメラで撮影された大パネルのプリント写真は、多くのケースで【ほとんど中判でなきゃいけない必然性を感じない】くらいで、実際の鑑賞する写真としての撮影なら、無駄と思える代物しかしながら、大部分のメーカーは、高画素をアピールして販売をしようとしています。

ニコンのDXカメラD500、D7500は、それまでDXサイズのカメラを2400万画素に上げていたのと打って変わって、2000万画素に落とし連射と高感度を強くしたとうたわれました。
フルサイズで、階調が保たれる限界が1200-1600万画素(実際それ以上の画素数のカメラは、レタッチすると破綻しやすい、などゆとりがないのは確か)とすればDXカメラの理想は600-800万画素が関の山ともいえますね。D500と同じサイズのセンサーを持つ、1600万画素のフジのXシリーズカメラは高感度に強いという触れ込みでしたが、感度800にすると動物の毛が潰れるなど、やっぱり無理が出ているのがわかるわけで、1600万画素ですらAPSサイズのカメラには無理が来てるわけ。1600万画素のキヤノン7DやニコンD7000が出たときにも、妙に粉っぽい、高画素化の弊害と言われていましたが、メーカーとスペオタはガン無視で(素性が悪い高画素センサーにごまかしのソフト処理をかけるという化学調味料を足して)画素数アップを図ってきました。

*実際はD500の2000万画素ですら、
画素数自体はもうカタログスペックでしかないです。

”Crops These are 600 x 400 pixel crops.”(部分トリミング24万画素)
http://kenrockwell.com/nikon/d500.htm

という項目までスクロールダウンすると、D500の感度ごとに部屋の時計を拡大トリミングした写真が比較されています。

時計の時計板の下の黒い台座の彫込を見てみましょう。
感度=ISOが50のときが解像的にベスト
常用感度のISO・100で、黒い台座の装飾が高感度ノイズレダクションの影響で解像が落ち始めてますね。

早い話が、2000万画素に画素を落としても、もうほとんどカタログ上のスペックで、ISO100からノイズレダクションが全開で、実際の撮影で2000万画素分の解像なんかないわけです。

D500やD7500は2000万画素どころか1200万画素に落として販売しても良かったくらいでしょうね。

*2400万画素機のEOS 8000D(海外名称Canon T6s (EOS 760D)フルサイズなら5000万画素機相当の画素詰め込み度)
についても実験がなされていて*キヤノンAPSサイズ機はニコンやフジの同クラスよりセンサーがさらに小さい。
やっぱり部屋の時計を拡大トリミングした写真のあるところまでスクロールダウン

Canon T6s (EOS 760D) 24MP APS-C, 5 FPS, Flip Touch LCD
http://www.kenrockwell.com/canon/t6s.htm
Crops from above images
Look at the subtle detail in the wood. It’s starting to go away by ISO 200.”(木のデテールを見てご覧よ、ISO200から不鮮明になり始めてる)

感度200でもノイズレダクションで、細部の解像が消え始めているのが確認できます。

RAWでノイズ処理すればもう少し画質劣化は防げるでしょうが、それでも少しましになるだけで、ニコン、キヤノンともにISO・200ですら猛烈なノイズレダクションがかかって、本来の2400万画素なんかない状態なわけです。
D500に至ってはISO・50まで下げるといろいろ細かい解像が出てくるので、ISO100ですらD500は実際は2000万画素はないということになります。それまでのD7200などの2400万画素機なら、なおさらの話。D7200の2400万画素って,ISO100ですら、実際は達成されてないでしょw


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